B君が好き
私の同僚A子は、B君に一目ぼれ。一目見たときにハートを射抜かれたようで、かなり早い段階から猛烈アプローチを開始しました。B君は、A子はタイプではなかったようで、かなり迷惑そうでした。
B君が出社すれば、近づいてあいさつし缶コーヒーを手渡します。ランチタイムはB君を追跡し同じお店でランチ。帰りは待ち伏せして一緒に駅まで行き、A子は自宅とは正反対の、B君の家近くまで行ってから帰宅していました。
お前なんかあっちいけ!
B君は初めA子の行動を放置していましたが、毎日続くA子の猛烈アプローチに辟易。瞬く間に社内で噂になりました。B君は、噂されるのが凄く嫌だったようでA子に「お前なんか無理!」「あっちいけ!」「嫌いなんだよ!」とまで言うように。
しかしA子は何を言われても、怒涛のアプローチをやめることはありませんでした。「B君ったら照れちゃって」「私のこと意識しているのね」と受け止め超絶プラス思考でした。
毎日ぐいぐい接近し、飲み会では他の女性を振り払いB君の隣に突進し、露骨に嫌われても聞く耳持たずの毎日……。
奇跡的な一夜
B君に彼女ができたときはさすがにショックだったようですが、すぐに復活しA子の猛烈アプローチが途絶えることはありませんでした。そんなこんなで5年が経ったある時の飲み会で、とうとうA子とB君は、酔った勢いで大人の関係に!
A子は天にも昇る気持ちでキラキラ輝き、たった一度の情事だというのに周りで見ていた私たち同僚も、ピュアなA子の恋に胸を撃たれました。A子はもうすっかりB君の彼女としてふるまい、B君は半ばあきらめモードという感じでした。
ついに!?
その後私は、異動などで2人と接する機会がなくなりました。A子のことを忘れかけていたある日、なんとA子から結婚式の招待状が!
お相手はまさかのB君でした。A子がB君に一目ぼれしてから8年の月日が経っていました。結婚式のあとB君は言いました。
「これほどまでに愛されたことはなかった。俺がどれだけ嫌っても俺を愛することをやめなかった。A子と出会えて幸せ」
絶対無理と思う恋でも、実ることがあると教えてくれた出来事でした。
ftnコラムニスト:鈴木まさ美