自治会の役員をすることに
私の住んでいる地域は、都市部から離れた郊外。田んぼや畑が広がり、マンションはなくほとんどの世帯が戸建てに住んでいます。
わが家も越してきてすぐに自治会に入会し、初めて役員が回ってきました。役員にはいろんな役職があるのですが、新規加入組はスポーツ関係の役員をすることが多く、体育委員を任されることになりました。
多忙な夫に頼れず
初めての自治会のお役目。役員になり、かなり緊張していました。
わが家は、夫はいつも帰りが遅く、自治会のことにはノータッチ。平日の夜に開かれる会議に出るのは無理で、全て私がやらざるを得ませんでした。基本的に自治会の役員会議は、夜7時から公民館で行われることが通例。私は専業主婦なので、1歳の我が子は保育園や幼稚園には通わせていません。近くに身寄りもなく夫も頼れないので、夜の会合はやむを得ず子連れで参加することにしました。
会合に行くと
わが家が役員になって初めての会合が開かれることになり、会長さんから日程の連絡がありました。その時に子供を連れて行く旨を伝えると嫌な顔をされましたが、事情を伝えると仕方ないなといった雰囲気。
なんとなく悪い予感はしましたが、当日その意味がわかりました。会合に出席していたのは全て男性で、それも年配の方がほとんどでした。
私と子供を見た瞬間、「奥さんが来たの? 旦那さんは?」「夜なのに子供連れてきたの!?」とざわついた雰囲気に。すでに晩酌を済ませてきたのか、酔っぱらった様子で話す方も多くいました。アウェーな雰囲気に帰りたくなりましたが、途中で投げ出すこともできずに子供をあやしながら座っていました。
トラブルを助けてくれたのは…
会合に参加していた役員の一人が、「こんな遅くに赤ちゃん連れて来るなんて、旦那は何をしてるんだ」と呆れたように言いました。
仕事で来られないと説明しても「そうじゃなくて、女じゃちゃんとした話ができないんだよ」と返され、私は泣きそうになってしまいました。しかし、その直後、一人の女性が扉を開けて話に割って入ってきたのです。
女性はなんと、先ほど文句を言っていた方の奥さんだったようで、すごい形相で男性の前へ。
「役に男女は関係ない。ドタキャンもせず、夜に赤ちゃん連れで来てくれたことに感謝しないでどうするの?」と反論してくれました。
奥さんは別の用事で公民館に来たところ、旦那さんの大きな声がしたので見に来てくれたのでした。男性も心配して言ってくれたのかもしれませんが、奥さんの登場のおかげでその後はスムーズに進み、この出来事の後も気にかけてくれるようになりました。
自治会の役員になったら大変だと噂には聞いていましたが、体験してその大変さが身に沁みました。
ftnコラムニスト:karira