人生の岐路。どうしても卑屈になってしまう……
友人のA子は29歳。30歳を目前にして、どうしても色々なことに焦っていました。
同僚はバリバリとキャリアを積み上げるか、家庭を大切にしてほどほどに働くかのどちらかになり、高校や大学の友人たちは結婚や出産ラッシュ。
一方、A子はそこまで仕事にのめりこめるわけでもなく、かといって結婚を考えるような彼氏もいない状況で、自分だけが取り残されたような気持ちになってしまっていました。
こんな自分がイヤ! ついには友達にも会えなくなり
久しぶりに友達に誘われても、「もしかして結婚や妊娠の報告をされるんじゃ……」と憂鬱になってしまい、最近では何かと理由をつけて会うのを先延ばしにしています。
こんなネガティブな自分が心底イヤでしたが、どうすることもできず、まるで泥の中でもがいているような日々でした。
会社の先輩の一言で目が覚める
「さすがにこのままではダメだ」と思ったA子は、ある時、ありのままの悩みを会社の尊敬できる先輩に相談しました。
先輩は周囲に好かれ、趣味にも打ち込み、A子のようなネガティブな感情に囚われたりしないように見えましたが、それを伝えると先輩は意外にも「そんなことないよ! 人のことがすごく羨ましくなったりもするよ」と否定しました。
「そういう時ってどうするんですか?」とA子が聞くと、「人のことが羨ましくて仕方ないときはとにかく暇なとき! うだうだ考えてないでとにかく手や足を動かして、何も考えないようにするのが1番。そしたらいつのまにか新しいステージに移動してるよ」と先輩は教えてくれました。
頭ばかり動かして何1つ行動に移そうとしていなかったA子にとって、その言葉は衝撃だったといいます。
目の前のことを1つ1つこなしていこう!
それからA子は、乱れた生活習慣を直し、散らかった部屋を片付け、とにかく目の前のことだけを見て自分を整えて大切にすることに集中したそうです。
すると、少しずつ「私なんて……」という気持ちが薄くなり、以前のように友人に会って笑い合うこともできるようになりました。
それ以来、人のことが羨ましくなりそうな時には、先輩の言葉を思い出しているそうです。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの