新卒で入社した会社。ずっと支え合ってきたのは
A子は大学卒業と同時に出版社に入社し、以来10年近く働いています。仕事は充実しているものの大変なことも多く、時にはプライベートそっちのけで仕事に忙殺されることも……。
何度も挫折しそうになりましたが、そのたびに心の支えになってくれたのは同期で同じ部署に配属されたM美でした。
2人はいつも「もう同期っていうより戦友だよね」と笑い合っていたそうです。
しかし、妊娠をきっかけに雲行きが怪しくなり
ところが、A子が結婚・妊娠したことをきっかけにだんだん2人の関係に影が差し始めました。
妊娠が分かった時、A子は真っ先にM美に報告したのですが、きっと応援してくれると思っていたM美は「で、いつから産休に入るの?」と予想外に冷たい態度だったのです。
どうして? 私が悪いの?
それからもM美の態度は冷たくなる一方。
A子が健診で仕事を代わってほしい時も「健診は前から分かってたんだから前もって仕事を片付けておくべきだったよね」と厳しい言葉をかけてきたり、「子どもを作りたくて作ったんだから自己責任だよ」と言い放ったり……。
A子は、妊娠で迷惑をかけて悪いとは思いつつも、「ここまで言われるほど悪いことなの?」とモヤモヤせずにはいられませんでした。
戦友をなくしたくない……
いよいよ明日から産休に入るという日、A子は最近ではろくに口も聞かなくなっていたM美に「色々迷惑かけてごめんね」と最後に挨拶をしました。
するとM美は、突然「ごめん!!」と謝ってきたのです。「ずっと一緒にやってきた同期がいなくなるのが不安で悲しくて、嫌な態度ばっかりとっちゃって……。本当に大人げなかったよね。ごめん……」
M美に嫌われたわけではなかったことを知りホッとしたA子でしたが、妊娠中にかけられた言葉の数々をどうしても忘れることはできず、口では「もういいよ」と言いつつも、心にしこりを抱えたまま産休に入ることになりました。
まとめ
もちろん、ライフステージが変わっても仲良しのままでいられる人もたくさんいます。
とはいえ、特に女性にとって結婚や妊娠に関することはとてもデリケートで、それをきっかけに今回のA子とM美のように距離ができてしまう人がいるのも事実です。
一時的に離れることになっても、また時期が来れば一緒にいられるようになることもありますし、悲観的になりすぎずお互いの健闘を祈りたいですね。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの