暑くなってくると怪談話を耳にすることが多くなりますよね。夏に不思議な体験をしたという人も中にはいるのではないでしょうか? 今回は友人が数年前の夏に体験したエピソードをご紹介します。
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買った覚えのないお菓子がカゴに

友人のA子は当時まだ結婚して間もなく、子どももいなかったため、休日には夫婦2人でのんびりショッピングやドライブを楽しんでいました。

ある日、遠出をした先で立ち寄ったスーパーで不思議なことがありました。
買った商品を袋詰めしていると、A子も夫も入れた覚えのないお菓子がいくつもカゴに入っていたのです。「誰かがイタズラで入れたのかな?」と2人は思いましたが、返すのも面倒だし安いものだからとそのまま他の荷物と一緒に車に積み込んで出発したそうです。

誰もいない後部座席。なのに……

しかし、しばらくするといつもはおしゃべりな運転席の夫が無言に。
「どうしたの?」とA子が聞くと、夫は「さっきから、オレの座席を後ろから誰かが蹴ってる」と強張った表情で答えました。

でも、夫婦2人でドライブしていてA子は助手席に座っているため、もちろん夫の後ろの座席には誰も座っていません……。A子はゾッとしました。

休憩中、ふと見渡すとそこには

気味が悪くなり、「ちょっと休もうか」とA子と夫は車を停めて休憩することにしました。
ふと周囲を見渡すと、少し離れたところにお供え物が置かれた一角が。どうやらここで交通事故があったようです。そして、置かれているものから察するに、亡くなったのは幼い子どものようでした。

そのとき、A子は、お供えの中にあったお菓子に、さっきスーパーでカゴに入っていたのと同じものがあることに気付きました。

「もしかして……」ピンときたA子は、カゴに入っていたお菓子をその場所にお供えして、夫とともに丁寧に手を合わせ、その場を去ったそうです。
それから家に着くまで、夫の座席が後ろから蹴られることは1度もありませんでした。

まとめ

子どものいないA子たちに、もしかしたら誰かが何かを訴えたかったのでしょうか。
それともA子と夫の思い違いで、お菓子も、お供え物の置かれた事故現場も、すべて偶然だったのでしょうか。
真実は誰にも分かりませんが、偶然で済ませるにはちょっと無理があると思いませんか?

ftnコラムニスト:藍沢ゆきの