友人は大手企業で働くワーキングマザー
小学校時代からの友人Uちゃんは、誰もが知る大手企業で働くワーキングマザー。大学を首席で卒業した後に就職した企業にずっと務めています。
先日Uちゃんとランチをしたときに、今の部署の上長が冬に役職定年を迎えるため、後任として打診されていると聞きました。
Uちゃんは私にとって自慢の友人です。子ども時代から成績優秀で、しかも優しくて穏やかな癒し系。本当に優秀なのに偉ぶったところがなく謙虚です。「Uちゃんの部下は絶対幸せだよ。私もUちゃんの下で働きたい!」と、素直な感想を言いました。
近々役職に就く可能性大だけど純粋に喜べない……
しかし、なぜかあいまいな表情をするUちゃん。「役職に就いたら収入も増えるけど、そうすると夫の収入超えちゃうんだよね……」と気まずそうに話し始めました。
Uちゃんは社内恋愛の末の結婚で、夫はUちゃんの直属の先輩でした。今は別部署で仕事の関わりもほぼゼロ。2つ上の夫は係長クラスですが、上の層が厚い部署で昇進の予定はなさそうとのこと。
「確かにそれは気まずいかも……」と私は共感してしまいました。
Uちゃんの夫は少しプライドが高いタイプでかつ亭主関白系。フルタイムの共働きですが、今まで家事育児はほとんどUちゃんが担ってきました。
夫の方が帰宅が遅いのが主な理由ですが、それ以外にも「夫を立てる」という意味も含んでいると話すUちゃん。彼女なりの夫への気遣いと愛情なのです。
能力が高い故の苦悩
なお、Uちゃんの娘は中高一貫の私立高校に通っています。
娘の希望もあり受験のフォローもほとんどUちゃんが1人でやってきました。仕事、家事、育児、受験対応とUちゃんの忙しさは尋常ではありません。
「1人の時間がない」と言っていましたが、まぎれもない真実でしょう。それでもUちゃんは持ち前の能力と体力でやりきってしまうのです。すごいよUちゃん!スーパーウーマンだよ!
そこに胡坐をかかず、謙虚に夫を支えようとするのがまたUちゃんのすごいところ。
夫の立場を考え、自分が先に昇給することに抵抗を感じているのです。社内の目も気になるのでしょう。噂好きな人はどこにでもいるものです。
「でも、せっかくの昇給を蹴るのはもったいないよね。収入も増えるし……」と悩むUちゃん。
昇給の打診の話を夫に伝えたら案外応援してくれるのではと思うのですが、未だに話す決心がつかないようです。
凡人の私は、ただただ聞いてあげることしかできませんでした。
Uちゃんのすごさを一番身近で感じている夫であれば、きちんと話せば理解してくれそうですよね!
ftnコラムニスト:ききた