多くの生徒達が在籍する学校ですが、その分、静けさに満ちた校舎とはいうのはどこか不気味なものです。
実際に「学校の七不思議」なんて都市伝説が、全国に存在していますよね。
そして学校で働いている職員の中には、怪異に遭遇してしまうケースもあるんだとか......。
今回は、知人女性の恐怖体験をお届けしましょう。

一人職場を満喫する図書館司書

図書館司書の資格を取得した知人女性は、中学校の図書館で働き始めました。
始めこそ真面目に働いていましたが、時が経って慣れるのに従い、要領よくサボるようになってしまいました。
「生徒がいない時は、基本的に一人だし。サボっていたってバレないわよね!」
そう言って彼女は、図書館でお菓子を食べたり、スマホをいじるようになったのです。

静まり返った物置

図書館で最低限の業務だけ行い、サボるのがルーティンワークとなった知人女性。
職務怠慢ぶりはエスカレートして、遂には図書館に長座布団を持ち込むようになりました。
図書館の奥には、古い本を保存する為の物置があったのですが、あろうことか知人女性はそこに鍵を掛けて、暇さえあれば眠るようになったのです。

「鍵を掛ければ、誰も入って来れないもの!」
そう言って調子に乗る彼女でしたが、その後、思いがけぬ怪異に見舞われてしまうのでした......。

もう2度と、サボれない......

ある日、いつものように物置で眠っていると、知人女性の身に変化が起こりました。
今まで味わったことのない感覚が身体を襲い、急に身動きが取れなくなったのです。
オマケに自分が予期していない方向に、体が勝手に動きだすではありませんか!
恐怖で悲鳴をあげたいと思っても、何故か声が出ません。

「これが俗に言う金縛りだ」と知人女性の体はしばし硬直していましたが、5分程経って、ようやく体が動くようになりました。
その瞬間、彼女は猛スピードで長座布団から身を起こし、死に物狂いで鍵を開けて外に出ました。
「今のは異様だった」と知人女性は恐怖に震えながら、それからは2度と仕事をサボることはなくなったといいます。

「金縛り」は心霊現象では無いとの説もありますが、自分の身に起こると、やはり恐ろしいものです。
何か得体の知れない恐怖を感じながら、彼女は今も、物置には最低限しか近づかないようにしています。

ftnコラムニスト:六条京子