保育士だからって……
友人A子は保育士として働いています。もともと子どもは大好きで、たくさんの子どもたちの相手をするのも全く苦ではないA子。そんなA子を利用しようとする人がいました。A子の姑です。
姑はA子が保育士なのをいいことに、親戚の集まりがあるとすぐにA子を呼び出して「A子ちゃんって保育士だから子ども好きよね? 面倒みてね!」と、その場にいる子どもたちをA子のもとに集めて子守りをさせるのです。
保育のプロとはいえ、さすがにプライベートでまで仕事をしたくはないA子。何度も姑に「危ないので1人で見るのはちょっと……」と言いましたが、姑はお構いなし!
子連れでやってくる親戚には必ず「子どもはうちの嫁が見とくから!」と勝手に引き受けてしまうのでした……。
「勿体ないから食べちゃって♡」じゃねーんだわ!
その日も法事で夫の実家に呼び出されたA子。そしていつも通り押し付けられる子守り役……。
いいかげんうんざりしながらも仕方なく子どもたちの面倒を見ていましたが、隣の部屋にはおいしそうなご馳走がどんどん運ばれてきます。
でも、入れ替わり立ち替わりやってくる子どもたちの対応に追われ、A子は一口も食べることができません。
そんなA子の状況を知っているはずなのに、姑は聞こえよがしに親戚たちに向かって「残したら勿体ないから食べちゃってね~♡」と声をかけます。
夫の一言でついに崩壊
結局、A子はほとんど食事をとることもできず法事を終えました。
親戚付き合いに忙しく、そんなA子のことなど知らない夫は、帰りの車で1人満足げ。てっきりA子も自分と同じように飲み食いしていると思ったのか、「お腹いっぱいになったな~♪」などと話しかけてきます。
その一言でついにA子の我慢は崩壊!
「お腹いっぱいどころか、1口も食べてないんですけど?!」
いつもは穏やかなA子が突然キレたのを見て夫はビックリ! そこでやっと、夫は自分の実家でA子がどのような扱いを受けていたのかに気付いたのでした……。
まとめ
夫は「うちの母親と親戚が本当に申し訳ない!」と謝ってくれましたが、もうA子は絶対に義実家には行きたくない! と決意を固めていました。
それほど辛い状況だったんですよね。それ以来A子が義実家に行くことはなくなり、夫ももちろん強要しなかったそうです。
姑は文句を言ってきましたが、「なんで来てもらえないのか、自分の胸に聞いてみたら?」と夫に冷たい言葉をかけられてから、さすがに何も言わなくなったようです。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの