小学校高学年になると、私の周りでは中学受験の話題で持ちきりになってきます。小学校のお受験とは違って子供主体なはずなのに、ここでも親のマウントバトルが繰り広げられており、勝手に巻き込まれてしまうことも、しばしば。今回は、私のママ友Dさんが巻き込まれた中学受験エピソードをご紹介します。
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娘が中学受験を希望しているママDさん

Dさんの小学5年生の娘は、中学受験を希望しています。娘が行きたい中学があるからと、そこの受験に強いと言われている塾に通っているのですが、そこで同じ学校を志望しているママ友Eさんと知り合いました。小学校は違うものの塾のクラスが同じで、娘同士が仲が良かったこともあり、同じ学校を志望する親同士でいろんな情報共有ができたらいいなと思ったのですが、Eさんはライバル視するタイプの人だったのです。

「PTAでもやったらどう?」と上からアドバイス

ある日、Eさんから突然話しかけられました。「娘のためにと思って、PTAの役員を今年引き受けたのよ! 書記でラクだけど、役員ってだけで箔が付くじゃない? 受験のためにも親も頑張りを見せないといけないわよね♪ DさんもPTAとかやってみたらいいんじゃない? もう今からじゃ難しいかしらね」と、PTA役員であることを声高に主張してくるので、Dさんは「そうですね~」くらいに聞き流していました。

ある日、Dさんと同じ学校の子が入塾してきました。そして案の定Eさんがやってきて、またPTA役員の話をし始めたのです。そしたら入塾した子のママが、「あら! そうなの!? じゃあDさんは受験に有利なのね♪ だってもう何年も会長していらっしゃるものね♪」と、DさんがPTA会長であることを喋ってしまったのです!

去ったと思ったら、、、パワーアップしてカムバック!

親のアレコレなんて、受験には関係ないよね……と思っていたDさんはPTA会長を4年間していることは公にしていなかったし、それを誇らしいこととも思っていませんでした。しかし、Eさんにとっては違ったようで、驚きの表情をしながら真っ赤になって「あ、ちょっと用事を思い出したので……失礼!」とその場を立ち去ってしまいました。なんだか結果として悪いことをしてしまったような気持ちにDさんはなりましが、その後Eさんとは半年以上顔をあわせることはありませんでした。

そして翌年、なんとEさんはPTA会長になっていたのです。塾でEさんに会うと、「これで我が家も同じ土俵よ! 負けないわよ!」と自信満々の顔で啖呵を切ってきたのでした。

しかしEさんの頑張りとは裏腹に、地元の中学に通いたかったEさんの娘は、途中で中学受験を諦め、塾を辞めることにしたのです。
その後、街中で一度だけEさんに会いましたが、「あなたなんて大嫌いよ!」と大きな声で言い、立ち去ってしまいました。一体何がしたい人だったのか……。今でもわかりません。

ftnコラムニスト:南さおり