親戚一同でキャンプ
その日は待ちに待った親戚一同とのお出かけの日。
なかなか身内がそろって遊びに行けることなんてないので、わたしはとても楽しみにしていました。
特に、赤ちゃんの頃に会って以来だった甥っ子のルイ君に会えるのがうれしかったのです。
以前見た時は1歳前だったけど、もう4歳になっていたので、ルイ君と初めての会話ができるのか! とワクワクしていたのを覚えています。
知っていたの?
親戚一同とのキャンプはとても楽しいもので、あっ! という間に帰る頃になってしまいました。
キャンプ場を出てから1時間程車を走らせた頃、うたた寝していたはずのルイ君がパッと目を覚ましてこう言いました。
「その先にある休憩するところで停まって!」
運転していた彼の父親は「トイレか〜? じゃあ、休憩所あるから停まるね」と言い、そこで休憩をすることに。
この時は誰も不思議に思わなかったのですが、後から考えると何故、知らないはずの田舎道で【その先にある休憩所】の存在を知っていたのでしょうか……
ジュース2本買って?
みんなで寄った道の駅では、ご当地グルメを食べたり、お土産を買ったりして過ごしました。
出店のテーブル席に座っていたルイ君も、笑顔で楽しそうにしている姿が微笑ましかったです。
30分程経ったころ、そろそろ出発しよ〜! と言うことで、車に戻ることになったのですが……
ルイ君がなかなかテーブル席から動かなかったのです。
ルイ君のママが何度か呼ぶと、やっとテーブル席から離れたのですが、今度は「ジュースを2本買ってほしい」と言うのです。
わたしも彼のママも、もう1人一緒に来ている親戚の子どもにあげる為かな? と思っていたのですが……
車へ戻ってきた時、ルイ君は1本しか缶ジュースを持っていなかったのです。
あれ? と思っていると、さっきルイ君が長い時間座っていたテーブル席に、1本の缶ジュースが置いてあったのでした!
その服装ってまさか……
出発する直前にそんな奇妙な行動に出たルイ君に、みんなで質問してみたのですが……
とても不思議な体験をしていたことがわかったのです。
ジュースを2本ねだったのは、「ここで(道の駅)お友達になった子が『喉が乾いたから、お水ちょうだい』って言ったから。」なのだとか!
また、テーブル席でニコニコしていた姿を目撃していたのですが、ルイ君曰く、【その子と一緒におしゃべりしていたんだよ】とのことだったのです。
親戚の大人達は、その話を聞いた時は「そんな子いたっけ?」と思ったのですが、次の話を聞いた瞬間、全員背筋が凍りついたのでした!
「その子はどんな服を着ていたの?」というわたしからの質問にこう応えたのです。
「あたまに三角みたいなの被ってた〜。足は裸足だったよ。なんかね、顔が黒く汚れていたよ」
もしかしたら……その子は子どもの霊だったのかもしれません。
同じくらいの年頃だったルイ君と遊びたくて、休憩所に呼び寄せたのかもしれないですね。
ftnコラムニスト:さらら