いつも元気な息子が、今日はおかしい?
週末は家族で義実家にお邪魔することが多いのですが、その日は珍しく義母から「今日は一緒に夕飯食べない?」とお誘いをいただいて遊びに行きました。
2歳の息子は義実家に行けばすぐに笑顔で部屋中を走り回り、電気のついていない部屋に行ってはリモコンを使って点けたり消したりして遊ぶのが常になっていました。
しかし、その日はリビングから一歩も動こうとしなかったのです。電気のついていない部屋にも行こうとしないし、体調でも悪いのかな? と思って様子を見ていると、廊下の奥の方をじーっと見ているのです。
「どうしたの?」と聞くと、「きょう、あっち、こわいの。おじーしゃんがいるの。」と言うのです。
こわい! こわい! と怯えだす息子
義父は私のすぐ隣にいるし、義父のことは「ジージ」と呼んでいるので、これは義父のことじゃない!? と思ったら、そのあとすぐ「こわいの! こわいの!」としがみついてきました。抱っこして暗がりに行こうものなら「いかないのー!」と泣きそうになりながら、全力で拒否。
そして数分後にリビングの隣の部屋を見て、「こっちにきたよ!」と言うのです。
私たちも義父母も怖くなってきたのですが、義母がふと思い出したかのように、スマホでカレンダーをチェックし始めたのです。
義母が思い出す「そういえば今日は……!」
そうしたら「今日、兄の四十九日だったわ!」と義母が気づいたのです。
実は先日、義母と年の離れたお兄さんが亡くなりました。義母も「そういえば、今日あなたたちを呼んだのも、なんとなく今日は一緒にご飯を食べたいなぁ~と自然に思ったからだったけど……こういうことだったのね~」と言ったのです。
しかも息子はずっと「おじーちゃんなの。おばけじゃない。こわくないけど、こわいの。」と、お化けではないことや、怖いようで怖くないような不思議なものであることをしきりに訴えていたのでした。
息子には、亡くなった義母のお兄さんが見えていたのかもしれません。
その日は義実家で走り回ることなく、私たちは自宅に戻ってきました。
すると息子は、「お風呂やーだー! いるのー!」と言うのです。「さっきのおじーちゃん?」と聞くと「……うん。」と小さく頷くので、これまたビックリ!
結局、息子は断固としてお風呂場にはいかず、寝付くまで私にがっしりしがみついて離れませんでした。
ftnコラムニスト:南さおり