もうすぐ夏休みですね。「今年は海水浴に行こう」と計画している方も多いのではないでしょうか? ただ、海には思いがけない危険が潜むもの。今回は、筆者が幼少期に体験したエピソードをご紹介します。
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浮き輪でゆらゆら

私が10歳の頃、家族で海水浴に行った時の話です。田舎の海だったこともあり、人はまばら。私は2歳下の妹と一緒に、浮き輪で海に入りました。

両親は「いってらっしゃい」と言い、浜辺でせっせとビーチパラソルを広げます。私たちが大きくなったこともあり、「子供たちだけでも大丈夫」と安心しきっていたのでしょう。

「お姉ちゃん楽しいね」と言う妹と、二人で浮き輪でゆらゆら。「どこまで行けるかな?」と言いながら、しばらく波に身をゆだねていました。

足がつかない! 親は?

気が付くと、浜辺からだいぶ遠くに来てしまった私たち。両親の姿もどんどん小さくなっていきます。そして「そろそろ戻ろう」と私が妹に声をかけ、足を地につけようとした瞬間……

「足がつかない!」

この時、足がつかなくなるほど浜辺から離れてしまったことに、やっと気付いたのです。

焦った私は妹の手を引っ張り、一生懸命バタ足で戻ろうとしました。しかし離岸流に流されてしまい、全く岸の方に進みません。

この時、両親はというと……なんと浜辺で昼寝! 必死に助けを求めるも、両親は全く気付いてくれず、まさに絶体絶命でした。

大ピンチを救ってくれたのは

「お姉ちゃん怖いよ」と泣き出す妹と、疲れて足が動かなくなってきた私。「このままだと死んでしまうかも」と思ったその時です。

「お嬢ちゃんたち、もしかして戻れなくなっちゃったの?」

3人のサーファーのお兄さんたちが、私たちの様子に気付いて助けに来てくれたのです。

「ここの海は急に深くなるから危険なんだよ。しっかりつかまって」

お兄さんたちはそう言うと、私と妹の手を引いて浜辺まで連れて行ってくれました。

この時、やっと私たちが波に流されていたことに気付いた両親。恥ずかしそうに、お兄さんたちに深く頭を下げました。

子供から目を離さないで

この経験は大人になった今でも鮮明に覚えていて、泳いでも全く前に進まないという感覚に大きな恐怖を感じました。

親になった今、どんなに安全だと言われている海でも、絶対に子供から目を離さないように気を付けています。子供を温かく見守りながら、楽しい海水浴を満喫したいですね。

ftnコラムニスト:はぴまる