ご褒美時間!一人で買物
Aさんは同い年の夫と五歳の息子と暮らすワーキングマザーです。子育てをしながら働く日々は忙しく、毎日があっという間に過ぎていってしまいます。
ある土曜日、夫が唐突に言いました。
「たまには一人だけで買物に行っておいで」
一人時間が滅多にないAさんにとって、この申し出はとても嬉しいものでした。Aさんは夫の言葉に甘え、早速一人で買物に出かけることにしたのです。
一人時間は嬉しいけどソワソワ
出かける前はワクワクしていた一人での買物でしたが、何をしても子どもの顔が浮かんでしまいソワソワしてしまいます。
「今頃、何してるかな?」
「ちゃんとごはん食べたかな?」
「これ二人が好きそう!」
こんな風にどこにいても何をしてても夫と子どものことが浮かんでくるAさん。早く二人に会いたくなり予定よりも早く帰宅することに。
連絡せずに帰宅し玄関の扉を開け「ただいま!」と声をかけるとガタガタっと音がしました。そして、リビングまで進むと部屋がすっかり荒れ果てていました。
泥棒……? と思ったらサプライズ
「なにこれ!!!」
出かける前はキレイだったはずの部屋には、紙くずや木が散らかっています。わけがわからない状態にしばらく呆然としていると、奥の部屋の扉が開きました。
そこから出てきたのは夫と息子。
「ママの誕生日、サプライズでお祝いしたかったの〜〜」
部屋から出てきた息子は泣きながらそう言っています。
早く帰ってきてゴメンね
Aさんの誕生日は二日後でしたが、土日でないとゆっくり祝えないため夫と息子でサプライズパーティーを計画していたのだそうです。
夫の「一人で出かけておいで」からすべてが夫と息子による計画だったと話す夫。急いで部屋の飾りつけや誕生日プレゼントの工作をしていたところに、Aさんが帰ってきてしまったので急いで隠れたとのことでした。
「サプライズしようとしてくれてありがとう。ママとっても嬉しいよ」
息子はサプライズが失敗したことがショックで泣いていましたが、その後Aさんも一緒に飾り付けをして無事にパーティーを行うことができました。お互いにとって思わぬ事態になった週末でしたが、最終的にみんなが満足できたようです。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶