子連れのお出かけは大変
Aさんは3歳の子どもを育てるママ。子育てに奮闘中の日々の中でも特に大変だと感じるのが、子どもを連れてのお出かけです。
ちょうどイヤイヤ期の子どもは手をつなぐのも嫌がり、好き勝手な方へ歩いていくので目が離せません。今日のお出かけでも必死に子どもの後を追いかけていたAさん。子どもが喉が乾いたと言うので自販機でジュースを買おうとすると、カバンの中から財布がなくなっていることに気が付きました。
財布がない! 大ピンチ!!
「もしかして、家に忘れてきた……?」
そう思いましたが、今日一度財布を使ったことを思い出します。
「じゃあ、どこかで落としたんだ!」
バタバタと行動している子どもとのお出かけ。いったいいつ財布を落としてしまったのか、Aさんには見当もつきませんでした。
ですが、財布を落としたことを「まあいっか」で済ませることはできません。ひょっとしたら届いているかもしれないと考え、先程立ち寄った児童館に届いていないか聞いてみることに。
奇跡! 財布が届いていた
受付で聞いてみると、なんと財布が届いていました。
「誰が届けてくれたんですか?」
そう聞いたAさんに、児童館のスタッフは手紙を手渡してくれます。その手紙はAさんの財布を拾ってくれた小学生からのものでした。
いりぐちでひろいました。さいふがないととってもこまるとおもうので、ぶじにもちぬしがみつかりますように。○○小学校△△より
財布が見つかっただけでも嬉しかったのに、拾ってくれた小学生からの心温まるメッセージが添えられていて、Aさんは感動しました。
優しい子に育ってくれますように
その後、無事にジュースも買えて子どもとのお出かけを終えたAさん。家に帰っても、財布を拾ってもらった嬉しさが心の中にじんわりと温かく広がっています。
どうしても感謝を伝えたくて、後日手紙に書かれていた小学校に電話をかけてみました。
拾ってくれた子どもに電話をつなぐことはできないとのことでしたが、拾った財布がきちんと届いたことと感謝していることを伝えてもらうことに。電話に出て応対してくれた先生も嬉しそうでした。
財布を落とすというピンチが、こんなにもほっこりした気持ちを招いてくれるなんて。今は手のかかる我が子も、いつかこんな優しい子どもに育ってくれますようにと願わずにはいられないAさんでした。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶