不動産屋で働いていた友人の話
これは不動産屋に勤めていた友人から聞いた話です。
友人の勤めていた不動産屋は主に中古物件を取り扱っていたため、いろんな層のお客さんと出会いました。
その中でも、特に印象に残ったエピソードをご紹介します。
瑕疵物件を好んで探す客
不動産屋は、家探しをしているお客さんに対して不利になるような隠し事をしてはいけません。
お客さんの損にならないように家の状態などを説明するのですが、その中に”瑕疵物件”というものがあります。
瑕疵物件というのは、その住宅になんらかの不具合や問題があるという意味です。
例えば、雨漏りやシロアリ被害があるといった品質でのマイナス、過去にその家で人が亡くなっているなどの心理的なマイナスです。
ほとんどのお客さんは瑕疵物件を敬遠されますが、中には瑕疵物件を好んで探すお客さんもいました。
独身男性のAさんは、今住んでいるワンルームが手狭になってきたのでファミリータイプのマンションを探していました。
ただ、費用はそんなに出せないということで、相場より安く購入できる瑕疵物件を紹介してほしいと来店。
もともとホラー映画やゲームが好きなので大丈夫と話し、心理的瑕疵物件を一緒に回ることになりました。
私は瑕疵物件の雰囲気が苦手なので避けるようにしていたのですが、Aさんは平気な様子で、気になる物件をいくつも見学。
なんとご案内のその日に契約が決まりました。
ずっと空き部屋だったのでこちらとしても大助かりでしたが、おばけやホラーが苦手な私にはつらい仕事でした。
離婚時の売却で大揉め
引っ越しや新居建築以外にも、住宅を売りたいという理由はさまざま。
その中でも少しややこしいのが、離婚のため現在住んでいる物件を売りたいというお客さんです。
Bさん夫婦は、離婚が決まり共同名義のマンションを売りたいと来店されました。
財産分与のためには売って分けるのが一番わかりやすいのですが、夫婦の考え方がまとまっていないと、なかなかスムーズに進みません。
どうやら、奥さんは安くてもいいから早く売って離婚したい、一方旦那さんのほうはできるだけ高く売却したいという考え。
居住中の売却のため、内覧はありのままの生活を見てもらうことになります。
少しでも高く売りたい旦那さんは、そのたびせっせと家の片付けや掃除をしますが、奥さんは売れればいいと興味なし。
新婚さんにちょうどよい間取りでしたが、離婚する人達が住んでいる物件は反応もイマイチで……。
結局、旦那さんが折れて相場より少し安い金額で売却となりました。
共働き夫婦が家を購入するとき、共同名義で購入するという方もいると思いますが、その時は未来に待っているかもしれない最悪な事態も頭に入れておくとよさそうです……。
まとめ
不動産屋に来るお客さんといえば、新生活のためにワクワクした気持ちの方ばかりだと思っていましたが、いろんな事情を抱えて来店されるんですね。
人には言えないような裏事情が知れる不動産屋という職業、深堀りしてみたくなりました!
ftnコラムニスト:karira