つらい妊活が続く日々
私は結婚2年目の30代の主婦です。私も主人も子供が大好きなので結婚後すぐに妊活を始めました。しかし、思い通りに子供を授かることができず、苦痛の毎日。なかなか妊娠できなかったのですが、二人で頑張っていました。
産婦人科に行けば子供連れや妊婦を見て落ち込み、私には赤ちゃんは来てくれないんだと思うと涙がこぼれる日々で、何をやってもむなしいと思うように。
家に帰れば落ち込んでいる私を励ます主人に、つい感情的になり怒りをぶつけていました。主人は「二人がこれ以上苦しむのならもうやめよう」と言い出したのです。
子供が欲しいと思ったことがない?!
そんなある日、学生のころ仲が良かった友人にばったり会いました。久しぶりの再会でじっくり話をするうちに気を許した私は、つい妊活で苦しんでいることを話してしまったのです。
すると彼女は、「私は子供が欲しいと思ったことがないんだ」と言いました。
私は、自分が馬鹿にされているのかと思いました。その時は、彼女の言葉は受け入れられず、私の苦しみを踏みにじられたように感じたのですが、彼女の話は続きます。
「主人は旅行が好きでね。国内の温泉巡りで47都道府県制覇したいって言ってる」
「子供がいたらそれはそれで楽しかったかもしれないけど、二人もけっこう楽しいよ」
私は悪い意味で捉えた自分を恥じました。子供を授からないのはつらい。でも、子供がいないからって、必ずしも不幸になるわけでもない。不幸だと決めつけていたのは、私だったんだと気づかされたのです。
二人もけっこう楽しいよ
彼女の言葉は、私にとって衝撃的でした。もし子供ができなくても、私を愛してくれる主人がいる。そう思うと主人にも優しくなれました。ないものを求めるだけでなく、今ある幸せをかみしめよう。私には私の道があると思えるようになり、心にゆとりが生まれました。
まだ妊娠を諦めていませんが、ダメでも大丈夫だと思えるようになれたことに感謝しています。
ftnコラムニスト:鈴木まさ美