駅で困っている様子の男性に遭遇
採用試験の当日、緊張しやすい私はそわそわしながら最寄り駅に向かっていました。
「志望動機はこう言おう」「自己アピールのエピソードはこれを使おう」と、頭の中はプチパニック状態。
そんな状態で駅に着いて切符を買おうとしたとき、券売機の前で困っている様子の男性が目に入りました。
「どうされました?」と聞いてみると、その男性は身体障害者で割引の切符を買う予定が間違えて通常の切符を購入してしまったようでした。
切符の購入もサポートすることに
私は「窓口で相談しましょう」と伝えて、窓口まで付き添うことに。
窓口で払い戻しをしてもらいましたが、駅員さんから新しい切符は券売機で自分で買うようにと言われてしまいました。
このまま窓口で販売してほしい、と伝えても駅員さんは「割引切符は券売機で買えますから」の一点張り。
忙しかったのか、追い返されてしまいました。
男性から「また間違えそう……」という不安のオーラが伝わってきたので、「これは乗りかかった船だ」と、切符を買うのもお手伝いすることに。
割引を適用するには、該当する割引ボタンを押してから行き先を選択する必要があったようで、ガイドを確認しながらなんとか購入することができました。
男性からの言葉でリラックスして試験会場へ
払い戻しや切符の購入で時間がかかったため、乗車を予定していた列車はすでに発車済み。ところが、心配性の私は早めに家を出ていました。
男性から「助かったよ、ありがとう。でも時間は大丈夫?」と心配してもらったので、「今日は採用試験で、時間に余裕を持って出てきたので大丈夫です」と事情を伝えました。
すると男性からは「あなたみたいな人なら受かるよ、頑張って」と励ましの言葉が。
緊張と不安に包まれていましたが、その言葉で気持ちがほぐれてリラックスして試験に臨むことができました。
採用試験の結果は……
その結果、見事採用されました! と言いたいところですが、残念ながら不採用。
現実は厳しいですね……。
でもやれるだけのことはやれたので、気持ちはすっきり。
いいことはするのは、やっぱりいいものだ、と実感しました。
ftnコラムニスト:愉子