会社に内緒で副業をスタート
知人は、会社の就業規則で禁止されていた副業をこっそりと行っていました。
小企業で給料がなかなか上がらず、ボーナスも雀の涙。バレたらまずいと思いつつ、生活のためにWeb制作の業務を請け負っていました。
クライアントとの連絡方法はメールやLINEです。
その日も、業務時間外にクライアントにスケジュールについてLINEを送信。
しばらく時間が経ち、LINEの通知音が鳴りました。
上司に誤爆していた!
クライアントからの返事だと思ってスマホを手にしたところ、メッセージを開封して凍りついてしまいました。
送信元はクライアントではなく、直属の上司。
「これどういうこと? うちの仕事じゃないよね? 明日話をきくから」と……。
クライアントに送ったはずのLINEを間違えて上司に送ってしまっていたのです。
うまい言い訳も思いつかず、「はい」の一言しか返信できませんでした。
上司に呼び出されて……
翌日、渋い顔をした上司に会議室に呼び出されてしまいました。
誤魔化そうかとも考えましたが、お世話になった上司の顔を見ると嘘はつけません。
解雇を覚悟し、副業禁止と知りながら行っていたこと、副業の内容や業務量などを正直に話しました。
黙って話を聞いていた上司ですが、一通り話を聞いたあと予想外の言葉を発しました。
上司の口から出たのは、「生活が苦しいのか?」「そんなに働いて体は大丈夫なのか?」と、部下を心配する言葉でした。
上司の温かい言葉に涙!
叱られると思っていたのに、温かい言葉をかけられて思わず涙。
奨学金の返済がきついこと、本業に支障をきたさない程度に引き受けているから問題ないことを、震える声で伝えました。
そうすると、上司は「うちは給料安いからなー」とボソリ。
相談もなしに規則違反をしたことを注意はしたけれど、「このことは自分に一旦預けてくれ」と、その場では処分の話にはなりませんでした。
すると後日、上司が上層部に掛け合って正式にお咎めなしが決定!
また、事前に申請して承認されたら副業OKに変更されることになりました。
「給料アップの交渉は無理だったわ」と苦笑いする上司に、知人は「一生ついていきます!」と心の中で誓ったそうです。
ftnコラムニスト:愉子