上司と部下という垣根がある故に、パワハラを受けても泣き寝入りしてしまうケースが多いと聞きます。図書館司書として働く知人女性も、先輩司書の後輩イビリに常に悩んでいました。
「もう先輩のお小言が、我慢できない! 仕事を辞めるしかないのかな?」
そんな決断すら迫られていたとき、状況を好転させる助け舟が現れました。
ftnews.jp

「私が1番!」な先輩司書

本が大好きで、公共図書館で図書館司書として働き始めた知人女性。
仕事内容は楽しいものの、とある先輩司書の存在に大きなストレスを感じるようになりました。
先輩司書は、知人女性より20歳年上の50代。先輩は確かに仕事は出来る人なのですが、「自分以外は全員使えない」という考えの持ち主で、協調性に乏しいトラブルメーカーでした。先輩司書の高圧的な態度に耐えられない司書が相次いだせいで、この図書館は離職率が非常に高かったのです。

仕事は楽しいけれど……

案の定、先輩司書は新入りの知人女性に目を付け、高圧的な態度を繰り返すようになります。
「もっとパッパと本を返せないの?」「この本も読んだことないとか、司書失格ね」「絵本を読む時の声が、なんだか聴いててイライラする」「なんで、この図書館はアンタを雇ったんだろう?」
先輩司書のキツイ言動に、知人女性は日々、消耗していきました。常に自分の行動に目を光らせ、ひっきりなしに否定して罵倒する先輩司書。
「もう、ここで働くのは無理かもしれない」。そう感じた知人女性でしたが、ある日、思いがけない出来事が起こります。

館長直々に厳重注意

ある日、先輩司書が急に館長から呼び出されました。その上、2時間経っても個室から出てきません。
「何があったのだろう?」と思っていると、青ざめた顔で先輩司書が戻って来て、今度は知人女性が館長に呼び出されました。
何でも館長曰く、先輩司書の指導が行き過ぎているというクレームが利用者さん達から殺到したというのです。先輩司書が所かまわず知人女性に怒鳴り散らす為、その声をうるさいと感じる利用者さんも多かったよう。
それからは人が変わったように先輩司書はおとなしくなり、図書館には平和が訪れました。
良い施設にするには、まず職員達が楽しく働けないといけませんよね。

ftnコラムニスト:六条京子