どうして私だけ……なかなか子どもを授からない
Aさんは結婚後、すぐに子どもを望んでいましたが、なかなか授かりませんでした。すぐにクリニックにも通い始め妊活を開始しますが、なかなかうまくいきません。
Aさんより後に結婚した友達が妊娠したり、周囲がどんどん妊娠していくのに焦りを感じるAさん。
「どうして私だけ子どもを授からないの……」
妊娠したいの妊娠できない。この事実はAさんをどんどん追い詰めていきました。
優しい義両親からのプレゼント
Aさんが日々焦る気持ちを抱えながら過ごしていると、ある日義両親が旅行券をプレゼントしてくれました。
義両親は「孫の顔が見たい」なんてことは言わずに、いつも優しく接してくれる尊敬できる人たちです。その好意に素直に甘え、Aさんは夫と2人きりで温泉旅行に出かけることにしました。
「子どものいない人生もあり……?」旅行でリフレッシュ
温泉旅行は妊活でいっぱいだったAさんの意識を変えてくれました。夫と2人でゆったりと過ごす時間はAさんに大切なことを思い出させてくれたのです。
「妊娠することばかりに囚われていたけれど、私この人のことが好きだから、この人の子どもを生みたかったんだよなあ」
好きな人と過ごす時間はかけがえのないもので、追い詰められてしまうくらいなら無理に子どもを望まなくてもいいかもと思えてきたのです。
そんな気持ちになっていたのはAさんだけではありません。夫も同じ気持ちになっていたようで「Aがいるだけで俺は幸せなんだよ」と嬉しい言葉をかけてくれます。
そして2人で話し合い妊活は休憩することに。大好きな人と結婚して過ごせる幸せに感謝しながら過ごすことにしたのです。
妊活をやめたら妊娠! 義両親大喜び
温泉旅行から3ヶ月が経ったある日、Aさんは妊娠していることが発覚します。そのことを一番喜んでくれたのは義両親。孫を急かすことは一切ありませんでしたが、初孫を誰よりも心待ちにしてくれていたのでした。
妊娠に必死になっていた時も、妊活を休憩することにした時も、口を出さずに優しく見守っていてくれた義両親。追い詰められていた時には旅行をプレゼントしてくれて、気分を切り替えるきっかけを作ってくれました。
「こんなにも優しい人達が楽しみにしてくれているのだから、これから生まれてくる子どもは幸せだわ」
Aさんは妊娠した喜びと共に、義両親の優しさにも気がつくことができたのでした。妊娠・出産はデリケートな問題です。口を出さずに心の支えになってくれる人がいたら、こんなにも心強いことはありませんね。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶