「こっちがイヤだよ!」イヤイヤ期の子育ては超大変
Aさんは2歳の娘を育てる主婦です。2歳になった途端、娘がイヤイヤ期に突入し何でも嫌がるように。成長の過程で仕方がないことだとはわかっているのですが、イヤイヤ期の娘を育てるのは大変で心が折れそうになることも多々あります。
心を込めて作った食事をいらないと言われてひっくり返される
さあ出発! という時に着ている服が気に入らなくて時間に間に合わない
TPOを考えず、どこでも寝そべって泣きじゃくる
こんな日々に、Aさんはすっかり疲れきっていたのです。
「またか……」今日もイヤイヤが始まる
Aさんは娘と散歩していると何が気に入らなかったのか、また娘が大声でひっくり返って泣き始めました。幸いにも人気の少ない公園だったので、Aさんは娘をそっとしておくことに。こうなったら落ち着くまで待たないと、声をかけると逆効果なことをAさんは知っているのです。
Aさんが泣きわめく娘をそっと見守っていると、そこに近づいてくる人影がありました。
「おい!」
低い声に驚いて後ろを振り返ると、そこに立っていたのは怖い顔のおじさんでした。
怒られる? と思ったらどんでん返し
外とは言え泣き声がうるさくて叱られるのかと思ったAさん。慌てて娘を抱き上げようかと思ってえいると、おじさんは娘に話しかけます。
「おい! ねえちゃん元気だな! もっと泣け泣け! ははは」
娘と同じくらい大きな声量で話しかけるおじさん。娘はびっくりして泣くのをやめてしまいました。
「なんだもう泣くのはやめたのか? じゃあ次は笑ってみろ! わははは」
おじさんの勢いにつられて娘も笑いだしてしまいます。Aさんも何だかおかしくなってきて3人で声を出してしばらくの間、笑っていました。
泣くのは元気な証拠
笑い終わった後、立ち去ろうとするおじさんはAさんにも声をかけてくれます。
「子供が泣くのは元気な証拠だから、あんまり気にすんじゃないよ。子育てなんて適当にやれ! 適当だぞ!」
怒られると思った怖い顔のおじさんが娘を泣き止ませ、Aさんの心まで軽くしてくれた。イヤイヤ期の子供がいたからこそ出会えた不思議な縁にAさんは感謝したそうです。そして、自分も誰かの心を軽くしてあげられるような人でいたいと思うようになりました。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶