自分中心で生きている人ほど、他人にも何よりも自分を優先して欲しがることが多いです。今回は自己中なお姑さんにほとほと困らされた私の先輩、Tさんのお話です。
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自己中な姑と同居

Tさんは当時お姑さんと同居していました。このお姑さんというのがかなりやっかいな人で、なんでも自分中心じゃないと気が済まない女王様気質の持ち主でした。

そのせいでTさんは毎日つまらない用事で呼ばれては、すぐに来ないとゴネられる、というのを繰り返していました。

Tさんには5歳になる小さな子どもがいるので、子どもの世話をしながらお姑さんのわがままな要求にも応えなければならない日々に疲れ果てていました。

旦那さんに相談しても、「年寄りのすることだから許してほしい」と言われるだけで状況は何も改善しませんでした。

姑に呼ばれて……

ある日、Tさんが2階のベランダで布団を干している最中、お姑さんが大声でTさんを呼びました。
「Tさん! ちょっとお茶がぬるいから淹れなおして! 」
1階の和室からTさん を呼んだものの、2階のベランダにいるTさんには聞こえません。

「ママ……!」
呼んですぐに来ないとお姑さんが怒るので、気を利かせた子どもが慌てて階段を駆け上がり、Tさんに知らせようとしました。

しかし階段を5段ほど上ったところで、子どもは足を滑らせて階段から落ちてしまいました。Tさんはその音で気づき、慌てて階段を降りてきました。
「どうしたの!?」
「おばあちゃんが…… 呼んでる……」
階段から落ちて痛いはずなのに、自分に姑が呼んでいることを知らせようとする様子にTさんは胸が詰まりました。
「ちょっとTさん! さっきから呼んでるでしょ!」
お姑さんは自分の孫が階段の下でうずくまっているのも気にせずに、Tさんに用事を言いつけようとしています。
「……もう限界!」
Tさんは子どもを連れてすぐに家を出て、自分の実家へ帰りました。幸い子どもの怪我はかすり傷でしたが、Tさんは怪我よりも子どもの心が傷ついていることに腹を立てていました。

きっと毎日姑が自分を怒鳴りつけるところを見て、ちいさな心を痛めていたのだと思ったのです。

旦那さんに今日あったことを電話で報告すると、旦那さんは激怒。すぐにどこか部屋を借りるから、家を出ようと言ってくれました。

「自分の孫が怪我してるのに、自分を優先させようとするなんて…… !」
さすがの旦那さんもあきれ果てたようです。

その後、無事にTさんたちは姑と別居することができました。それからはお姑さんから何度用事を頼まれても断り、子どもにも会わせていないそうです。
もしかしたら姑からの用事は急ぎの用事だったのかもしれませんが、孫が怪我をした時は孫を優先してほしかったですね。

ftnコラムニスト:緑子