姑と同居して、マザコン爆発
Yさんは結婚5年目の主婦。お舅さんが亡くなって5年経ったのをきっかけに、旦那さんの実家でお姑さんと3人で暮らすことになりました。
旦那さんは生まれ育った家で実のお母さんと暮らすのが嬉しかったのか、それまでとはうってかわった様子でお姑さんに甘えるように。
「やっぱ母さんの作るメシは最高だよ」
Yさんがフルタイムで働いているため、家事は全てお姑さんが引き受けてくれていることもあり、お姑さんの作る食事を喜んで食べる旦那さん。
「母さんの作るメシに比べたら、Yのやつなんて全然マズかったよ」
「こら、そんなこと言うんじゃありません! 忙しい中作ってくれてたのに」
お姑さんはとても良い人で、Yさんをよくかばってくれました。まだ60代で、見た目も若々しいお姑さんは旦那さんの自慢のお母さん。
「母さんとまた一緒に暮らせて嬉しいよ」
旦那さんはことあるごとにそう言ってお姑さんにべったり。
「こんなにマザコンなんて気付かなかったな……」
Yさんが呆れてしまうほど、旦那さんのマザコンは同居をきっかけに大爆発。お姑さんも旦那さんの態度にちょっと引き気味でした。
「これはなんとかしなければ…… 」
Yさんは色々考えた結果、ある手段をとることにしました。
意外な復讐法
「話があるの」
1年後のある日、お姑さんがYさんと旦那さんをリビングに呼んで言いました。
「なんだよ母さん? 急に話なんて」
旦那さんはお姑さんのただならない雰囲気に、そわそわと落ち着かない様子。
「私、ここを出て行くわ」
「はあ!? なんでだよ、ここは母さんの家だろ」
旦那さんはぽかんとして尋ねました。
「再婚するの」
「ええ!? 聞いてないぞ、誰とだよ」
「そりゃ聞いてないわよね、今から言うから」
お姑さんは旦那さんにスマホの画面を見せました。そこには同年代の男性と仲睦まじく寄り添うお姑さんの姿が写っていました。
「どこで知り合ったんだよ?」
「婚活アプリよ」
Yさんがお姑さんの代わりに答えました。
「なんでお前が知ってるんだよ!」
「私がYさんに使い方教えてもらったの」
「はあ!?」
実はYさん、お姑さんにシニアの婚活アプリを勧めていたのです。お姑さんは旦那さんのマザコンぶりを心配し、親離れさせるためにも、アプリを使って婚活をすることを決めたのでした。
その後お姑さんは家を出て、アプリで出会った男性と生活を共にすることに。
旦那さんはショックのあまりしばらくそれを認められない様子でしたが、相手の男性に何回か会ううちに人柄の良さもわかったようで、しぶしぶ再婚を認めました。再び一緒に住むことができて嬉しかったのはわかりますが、マザコンはほどほどに、ですね。
ftnコラムニスト:緑子