大嫌いな姑
主婦のAさんには大嫌いな人がいます。それは旦那の母親である、姑です。
姑はいつもAさんに面倒なことを押し付けてくるような人でした。義実家の草むしりをさせられたり、掃除を手伝わされたりと、今まで散々な目に遭ってきたのです。
相手が姑ということもあり、なかなか断りづらく、Aさんは大きなストレスを抱えていました。
まさかのお願い
そんなある日、Aさんたち家族は義実家に行っていました。義父母に近況を話していると「どうも」と声をかけてきた人物が……。その人物とは義兄です。
義兄は40を超えても就職せず、実家暮らしを続けています。
と、そこで「あっ、そうそう」と姑が話しだします。そしてAさんはまさかのお願いをされてしまうのです。
「この子の面倒、これからはあなたたちが見なさい」
その真意は?
意味がわからず「はい?」と思わず聞き返すAさん。隣にいた旦那も驚いた表情で姑を見ています。
「だから、あなたたちの家にこの子を住ませてあげてちょうだい。私たちもこの先そう長いわけでもないでしょ? 私たちがいなくなったら、この子は1人じゃ生活できないんだから、どうせあなたたちが面倒みることになるじゃない。だったら今のうちから一緒に生活しておいたほうがいいと思うの」
姑はつらつらとそんなことを言ってきました。
Aさんの答えは?
正直、義兄と一緒に住むなんて冗談じゃありません。何もせず、お金を使うだけの人間が増えるだけです。
そもそも義父母がいなくなったとしても、Aさんたちが義兄の面倒をみるつもりは、さらさらありませんでした。それは旦那も同じはずです。
良い返事を期待して、笑顔でAさんたち夫婦を見つめる義父母と義兄……。そしてAさんは口を開きます。
「それはないですね。もしもそんなことになったらお義兄さんは、しっかり働いてください」
もしもここで良い顔をしたら、本当に一生義兄に付き纏われてしまう……。そんな危機感を感じたAさんはそう言って、ハッキリ断りました。
その後、義父母と義兄は急に不機嫌になり、散々嫌味を言われましたが、Aさんは意見を変えませんでした。そしてそれから、Aさんは義実家と距離を置くことを決め、今ではほとんど義実家に行くことはなくなったのだそうです。
相手への思いやりもなしに物事を勝手に決めてしまうのは、よくないですね。
ltnコラムニスト:ふくろうクジラ