第一印象はいい姑だった
Aさんは同い年の夫と結婚し、夫の実家近くに住居を購入しました。夫の母、つまりAさんにとって姑はとても親しみやすく、いい人という印象を持っていました。
だから近くに住んでもうまくやっていけるだろうと思っていたのですが、この選択がAさんにとって大失敗になってしまうのをこの時はまだ誰も知りません。
恐怖! 距離なし姑が毎日訪ねてくる
夢のマイホームを手に入れたAさん。これから1歳の娘と夫と毎日楽しい暮らしが始まるはずでした。しかし、近くに住む姑が毎日訪ねてくるのです。
姑の訪問は最初のうちだけだと思っていたAさん。引っ越しが終わり暮らしが落ち着いても姑の訪問がなくなることはありませんでした。
「そんなに毎日来ていただかなくても……」とやんわりと訪問を控えてもらおうとしても「家族なんだから気にしないで!」とAさんの意図は姑には伝わりません。
姑には悪気があるわけではないので、Aさんも対応に困ってしまいます。
もう1つの苦労 夫の理解
居留守を使おうにも姑はAさん宅の合鍵を持っています。夫が渡してしまったもので万が一の時用だったはずですが、Aさんがインターホンに出ないとすぐに自分で鍵を開けて入ってきてしまうのです。
毎日の姑の訪問も辛かったのですが、もう1つ辛かったのが夫にこの辛さを理解してもらえないことでした。
なにせ夫はこの姑に育てられています。姑の距離なし具合には慣れきっており、「毎日来ることの何が問題なの?」と気持ちをわかってもらえません。感覚の違いなので、責めることもできず自分が諦めればいいだけなのかもと挫けそうになることもありました。ですが、やっぱりAさんにとっては距離なし姑を我慢することはできそうもありません。
時間はかかりましたが、姑の訪問に困っていてこのままでは離婚も考えていることを夫に告げ、夫の理解を得ることができました。
解決法はこれしかない【引っ越し】
夫から理解してもらえてAさんの気持ちは随分と楽になりました。しかし、夫経由で頻繁には来ないでほしいと伝えても、姑の訪問が止むことはありません。Aさんからも正直な思いを何度かぶつけましたが、理解しようとしてくれない姑。ついにノイローゼになりそうなAさんが出した解決策は引っ越しでした。
物理的に距離をとってしまえば、いくら距離なし姑でも訪ねてくることはできません。
姑の強引さを理解した夫は、姑に直前までバレないように引っ越し準備を進めようと提案してくれました。姑は毎日来るのでなかなか大変な作業でしたが、無事に姑から遠い地に引っ越すことに成功しました。
紆余曲折ありましたが、こうして平穏な毎日を過ごせるようになったAさん。突然の訪問者がいない毎日を幸福に感じているそうです。
心地よい距離感は人それぞれ。何が正解かを決めることはできませんが、相手が不快に感じていないか思いやる気持ちは大事にしたいですね。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶