ご近所付き合いは難しい……
Aさんは30代の主婦。夢のマイホームを購入し引っ越してきたのですが、そんな幸せな生活の中で1つだけ悩み事が……。それはご近所付き合いのことです。
小さな子供を育てるAさんは、騒音などでなるべく迷惑をかけないように気をつけて暮らしていました。子育て中の同世代が多い住宅街だったので、お互い様と思いながら平和に暮らしていたのですが1人だけうるさいおばさんがいたのです。
「ごめんね〜悪気はないのよ」が口癖
そのおばさんは人当たりがよく一見するといい人なのですが、「悪気はない」と言いつつAさんに対する文句を伝えてきます。
「今日も〇〇ちゃんの元気な声が聞こえてきたわ〜。昼寝してたのに目が覚めちゃったわよ」
「母乳じゃなくてミルクなんですってね。そんなんじゃちゃんと育たないわよ〜」
おばさんはこういった言葉の最後には必ず、「悪気はないの、私正直なだけなのよ」と付けてきます。そう言われるとAさんは苦笑いすることしかできずにいました。だんだんとおばさんと顔を合わせるのが苦痛になってきていましたが、ご近所に住んでいるので避けることもできず困っていたのです。
ありがとう! 最強JK通りかかる
子供をベビーカーに乗せて散歩していると、運悪くおばさんにつかまってしまいました。今日もまた「悪気のない」悪口がAさんに浴びせられます。
「悪気はないんだけどさ、この服装って暑いんじゃない? 赤ちゃんがかわいそうよ」
そこへ偶然通りかかった女子高生が話しかけてきました。
「おばさんさぁ、悪気がないってナチュラルにクズってこと? お母さんは悪気があろうとなかろうとそんなこと言われたくないと思うよ」
急に話しかけてきたJKの言葉におばさんは口をパクパクさせて何も言い返せません。
「何よ! 失礼な子ね!」
苦し紛れにそれだけ言うと、逃げるようにして家の中に入っていきました。
悪気はなくても悪いものは悪い
JKは「あんなの気にしないで子育て頑張ってくださいね」と気持ちのいい言葉をくれて、去っていきました。
悪気がないならナチュラルにクズという的を射た発言に、Aさんは胸がスッとしていました。そして、自分がおばさんに対して感じていた嫌な気持ちは正しいものだったと思えたのです。
「悪気がないのなら許してあげなくちゃいけない」なんてことはありません。悪気はなくても悪いものは悪いのです。その後、おばさんは大人しくなったそうですが、もし次に嫌なことを言われても「悪気はなくてもやめてください」と言えそうだとのことです。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶