ママ友は、一緒に子育てを頑張る戦友のような存在です。積極的に助け合いたいと思うママも多いでしょう。助け合いの精神は素晴らしいですが、それを利用するとトラブルに発展します。今回は筆者のママ友から聞いたエピソードをご紹介します。
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3人息子のシングルマザー

A子は数年前に離婚し、3人の息子を抱えたシングルマザーになりました。

ママ友は「看護師なので生活に困ることはないのかな?」と思っていたそうです。

しかし実際は、夜勤のある日はベビーシッターを使うし、子どもたちの習い事や塾代もあり生活はギリギリでした。

専業主婦のママに目をつける

離婚後に引っ越したマンションには、長男と同じ習い事と塾に通っている、U奈一家も暮らしていました。

U奈は専業主婦です。

子どもの習い事と塾は、自家用車で送り迎えをしていました。

そこに、A子は目をつけます。

U奈と子どもがマンションを出る時間を確認し、偶然を装って「あら〜どうぜ一緒のところに行くんだから、良かったらうちの子も乗せてくれる?」と長男の送迎をお願いするようになったのです。

U奈も、A子がシングルになったばかりで大変だろうと気遣い、快く引き受けました。

長男が迷惑をかけていると気づいていながら、お礼は無し。

しかし、A子の長男は習い事や塾をしょっちゅうズル休みする子でした。

その上、待ち合わせ時間よりもかなり遅れて来るので、二人とも遅刻し塾の先生から叱られることも。

また塾でも居残りになるので、その度にU奈親子は待ちぼうけをくらっていました。

A子は長男の様子を知っていても、U奈に対してお礼もなく「いつも送ってくれて助かります〜」と軽く挨拶をするだけです。

さすがのU奈も「私ってバス代節約のために利用されてるだけじゃない?」と気づき、イライラが募っていました。

ママ友「ガソリン代払って」A子は何も言えず逃げ出して……

ある日、A子はU奈から「長男くんの送迎、待ち時間も多くて結構大変なんですよね。これからは、ガソリン代を払ってくれますか?」と遠回しに“迷惑です”と言われてしまいました。

A子は節約のためにあなたを利用していたなんて本音は言えません。

「それは、結構です……」とお茶を濁し、その場から急いで逃げるしかなかったそう。

その後、A子はU奈に菓子折りを渡し、子どもたちには公共のバスで習い事や塾に行かせるようにしました。

U奈とは、大きなトラブルには発展しなかったので、疎遠にはなっていないようです。

しかし以前のような親しい付き合いはなくなり、軽く挨拶をする程度の関係になりました。

日ごろからA子がU奈へ感謝の気持ちをあらわしていれば、今でも良いママ友付き合いができていたでしょう。

相手の親切心を利用して「これくらいなら大丈夫でしょ」と甘く見ていると、思わぬところで足をすくわれますね。

ftnコラムニスト:広田あや子