仲良しではないクラスメイト
友人の息子ケイタと同じクラスのユウキは、お互い空手を習っているのですが、道場は別なのだそうです。
ケイタとユウキは特別仲良しなわけでもなかったそうで、放課後に一緒に遊ぶこともなかったのだとか。
ただ、ユウキは勉強もスポーツもできる子だそうで、先生からも気にいられている存在なのだそう。一方でケイタは、スポーツはできるのですが勉強は苦手なのだそうです。
ケイタには発達の特性があって、読み書き計算がほかの子よりも苦手なんだとか。
そのため、通級といって、理解がゆっくりな子どものためのクラスにも定期的に通っているのだそうです。
上から目線
通級に通っているケイタのことを、ユウキはたまに下にみるかのような発言をしていたといいます。
「ケイタは通級レベルだから〜」「通級でのプリント簡単すぎで楽だろ?」など……
ケイタは見下されていると感じていて、とても悔しい思いをしていたのだそうです。
それを聞いた友人も、とても悲しく、ムカついたのだそうです。
発達の特性を持って生まれたケイタを見下されることは、本当に悔しいと友人はいいます。
しかし、相手もまだ3年生なので悪気はないのかもしれませんが、人をバカにするなんていけませんよね……
チャンス到来
友人の息子ケイタは、空手をすごく頑張っているそうで、試合経験もそこそこなのだとか!
友人は、好きなことには集中してのめり込むケイタの性質をうまく活かしているのだそう。
週2回の道場の練習に加えて、自宅でも毎日トレーニングを欠かさずやっているといいます。
そして去年の秋に出場した大きな空手の大会で、準決勝まで勝ち上がり、ユウキと対戦することがわかったのだとか!
対戦が準決勝だったため、ユウキ親子からはびっくりされたのだそうです!
ユウキ親子はケイタが空手を習っていることは知っていたものの、そんなに実力のある選手だとは知らなかった様子だったということです。
息子よ! よくぞやってくれた!
ケイタも友人も、絶対に負けたくない対戦相手だったため、いつもよりもウォーミングアップを念入りに行い、気合満々で試合に挑んだのだそうです!
結果、なんと! ケイタのKO勝利! それもキレイな上段回し蹴りをクリーンヒットさせたらしく、道場仲間や会場の観客からも「おお〜!!」と歓声が響いたのだとか!
コーナーで悔しくて崩れ落ちたユウキ親子を見て、友人はとてもスッキリしたといいます。
「いつもその悔しさをケイタとわたしは味わってきたのよ……」友人は心の中で呟いたのだとか。
そして、これからはケイタのことを見下したりしなくなれば……友人はそれが1番の願いだったそうです。
良きライバルに
大会でケイタが勝利して以来、ユウキはケイタのことを一目置くようになったのだそうです。
見下した発言は一切しなくなり「一緒に遊ぼう!」と誘ってくれたりするようにもなったのだとか!
また、今ではお互い空手の大会があると、励まし合って応援までしてくれるようになったといいます。
大会ではまた対戦するかもしれないのですが、良きライバルとして、お互いを高めあっていける存在になっているということです。
ftnコラムニスト:さらら