近年LGBTや性的マイノリティに関する記事や情報を目にする機会が増えているかと思います。性的マイノリティについての理解は昔に比べれば少し広がってはいますが、社会に対する生きづらさを感じてしまうこともまだまだあるのではないでしょうか。今回は、筆者の幼馴染でトランスジェンダーのユウタ(仮名)についてお話しします。
可愛いものが大好きだった
ユウタは、物心付いたときには可愛いものが好きでした。ヒーローもののグッズより、魔法少女のキラキラしたグッズの方に心惹かれていたそうです。服装も黒いズボンより、ピンクでフリフリのスカートを履きたいとも思っていました。
ただ、自分から可愛いものが好きとは言い出せず眺めるだけ。一般的に男の子と思われるものを選択し続けてきました。
女装が趣味だと自分に言い聞かせて……
大学生になって、ユウタは女装文化があるサークルに所属しました。お化粧やウィッグをして、可愛い服を着て、自分の今までしたかった格好で外を歩けるのが本当に嬉しかったのだそう。
私と遊ぶときの格好もいつのまにか女の子になっていました。ユウタは「サークルに女装文化があるから、女装が趣味になっちゃった」と話しながら、女装は趣味だと自分にも言い聞かせていたのです。
世間の目に違和感を覚える
見た目はすっかり女の子になったユウタ。男子トイレや銭湯に行くと、「ココ女子じゃないですよ。間違えてますよ。」と言われる回数が増えたのでした。
「すみません。男です。」そのたびに、自分が男だと伝えるのに違和感があったし、次第に男だと自分でいうのが苦痛になってきたのです。
そして、ユウタは自分が女の子になりたかったと気づきました。
決意のカミングアウト
その日は、ユウタといつものように飲みに行く約束をしていました。「女の子になりたいんだ。一緒に女の子がするような遊びをずっとしたかった」ユウタは、話してくれたのです。
薄々気がついていたので、驚きはしませんでしたが、話してもらえて嬉しかったです。今では、一緒に可愛い服や化粧品を買いに行くようになりました。
人の価値観や性格、趣向はそれぞれ。お互いに思いやり理解し合いながら、さまざまな人が自分らしく生きられる世の中になっていったらいいな、と思います。
ftnコラムニスト:夏野ゆきか