スーパーで働く主婦
主婦のAさんは昼間、近くのスーパーでパートをしていました。スーパーにはさまざまなお客さんが訪れ、時にはクレームを受けることもあります。
そしてその日もAさんはクレームを受けることになりました。しかしその日のクレームは、なんとも理不尽なものでした。
クレームを出す女性
「おかしいでしょ!」
そう声をあげたのは、50代程度の女性。レジ打ちをしているAさんに対して、そんなクレームを言ってきました。しかしそのクレームの内容というのが……。
「なんで袋に5円も払わなきゃいけないの!」
その女性はレジ袋にお金を払わなければいけないことに納得がいかない様子。
レジ袋有料化となってから、ずいぶん時間が経ったこともあり、Aさんもまさかこんなクレームを受けるとは思ってもいませんでした。
有料化のことを知らないのかな、と思いAさんは丁寧に説明をします。ですが……。
どんどんヒートアップする女性
「そんなの知らない。タダにしなさい! 絶対にお金は払わないから!」
レジでそんな無茶なことを言ってくる女性。Aさんもなんとか説得するのですが、女性はどんどんヒートアップしていきます。
しかしそこである出来事が起こります。その様子を見ていた、女性の後ろに並んでいた大学生くらいの若い男性。この男性がまさかの一言を発したのです。
「あの……5円も払うお金がないなら、払ってあげましょうか?」
男性のまさかの一言に……
まさかの言葉にAさんもクレームをいれた女性も、ピタッと言葉が止まります。
「遠慮しないでください。僕が払いますよ。」その男性はさらにそんなことを言います。
このとき、Aさんは正直ドキドキでした。さらに女性が怒りだすかもしれない……。そんなことを思っていたからです。しかし女性は意外な反応をします。
「べ、別に……大丈夫よ! お金はあるから!」
そんなことを顔を真っ赤にしながら言ってきたのです。
どうやら女性は、お金がないと思われたことが、相当恥ずかしかった様子。他の客も注目している中での出来事だったので、なおさらでした。
その後、女性は素直にお金を払い、逃げるようにして店を出ていきました。
Aさんは男性から「大変ですね」と言われ、それでようやく助け船を出してくれたことに気づき、「ありがとうございました」と感謝の言葉を告げたのだそうです。
レジ袋有料化に納得できなかったのでしょうが、社会のルールですから仕方ないですよね。男性の助け船のおかげでなんとか乗り切れたようで、良かったです。
ltnコラムニスト:ふくろうクジラ