やっとの帰省だった
コロナ禍での妊娠出産だった友人は、産前産後は一度も実家に帰省することができなかったのだそうです。
その為、コロナが落ち着いたらすぐに我が子を連れて、飛行機で帰省しようと思っていたのだとか。友人は、早く両親に孫の姿を見せてあげたくて仕方がなかったといいます。
そして、ようやく帰省ができる目処がたった頃、友人はフライトチケットを購入したのだそうです。
子連れでの搭乗が不安
待ち望んでいた実家への帰省だけど、生後半年の赤ちゃんを1人で連れての搭乗には、とても不安があったと友人はいいます。
なにしろ初めての子連れ搭乗だし、いつ泣き出すかわからない月齢でもあったそうで……。
お気に入りのおしゃぶりやタオルを忘れないように念入りにチェックしたり、いつも眠りに入る時間帯の飛行機を予約したりするなど、周りの乗客になるべく迷惑をかけないように友人なりに準備をしていた、ということです。
心ない言葉
友人なりに子連れ搭乗の工夫をして、いざ飛行機に乗り込んだのですが……。
離陸した途端に、赤ちゃんがギャーっと泣き出してしまったのだそうです。
焦った友人が一生懸命あやすも効果はなかったのだとか。
お気に入りのタオルをかけてあげても、おしゃぶりを吸わそうとしても泣き止む気配はなかったのだそう。
すると、隣の席にいたオジサンから心ない言葉が。
「今日の席ハズレだわ!」「赤ちゃんなんか泣くんだから、旅行はこの時期我慢すればいいのに!」と。
「旅行に行くのではなくて、久しぶりの帰省なのに……できるだけの配慮はしてみたのに」
そんな想いが溢れて、不安と悔しさから涙が出たと友人はいいます。
ヒーロー現る!
友人がグスンと泣きながら赤ちゃんをあやしていると、前の席に座っていたおばちゃん2人組が座席の上からヒョコっと顔を出して友人と文句を言ってきたオジサンを見てきたのだそうです。
「すみません…」と謝る友人にそのあばちゃん2人は意外なことを言ったのだとか!
なんと!隣の席のオジサンに向かって「赤ちゃんの泣き声がイヤというならあなたはチャーター便でいきなさい!公共の乗り物には赤ちゃんだっているのが当たり前でしょ〜が!」
「飛行機に生後半年の赤ちゃんお断り、なんてルールはないのよ?むしろ暴言とか吐く乗客はお断りじゃないですか〜?」
その鋭いツッコミに、オジサンも負けじと言い返していたようですが……。
すぐに客室乗務員が気付いて駆けつけてくれたらしく、友人と赤ちゃんを空いていた席へと移動させてくれたということです。
飛行機を降りた友人は、すぐにかばってくれたおばちゃん2人を追いかけて、お礼を言ったのだそう。
すると「赤ちゃんもママもよく頑張ったね!やっと目的地についたね〜!お疲れ様☆」と言って去っていったのだとか。
友人は【わたしも、あんな風にとっさに誰かをかばえる強いおばちゃんになりたい!】と強く思っているということです。
ftnコラムニスト:さらら