人の年収を知りたがる人って結構いますよね。勤め先と年齢さえわかれば、最近はインターネットで平均年収を調べることができてしまいます。
今回はそんな年収を知りたがるママ友に振り回された私の知人Fさんのお話です。
ftnews.jp

年収を知りたがるママ友

Fさんは小学生の子を持つ主婦。新興住宅街にマイホームを購入し、ご近所で同じ小学校に通う子どもを持つママ友が沢山できました。

その中に1人、変わったママ友がいました。その名もNさん。Nさんはママ友全員の旦那さんの会社名を聞き出し、「年収は〇〇万円くらいね!」とインターネットで勝手に年収を調べていました。

ママ友が「年収なんて聞かない方がいいわよ」と注意しても全く聞く耳を持たず、新しく引っ越してきたママ友がいればすぐに近づいて旦那さんの年収を推定していました。

「最近引っ越してきたあの人の旦那、年収1000万円超えてるわよ!」
ある日のママ友ランチ中、Nさんが言いました。みんなもうNさんとはあまりお付き合いはしたくなかったのですが、子ども同士が仲良しのため、仕方ないと聞き流しています。

高年収のママ友にタカるように

「はあ、お腹いっぱい。ねえ今日は〇〇さんのおごりでいいでしょ? だって旦那さん年収800万円なんだし。じゃあごちそうさまー」
食事を終えるとNさんはそう言い残してさっさと帰ってしまいました。名指しにされたママ友は困った顔で言います。
「最近何かにつけてこんな風にタカられるんだけど……うち、年収800万もないのに」
「Nさんの分は割り勘にしよう、それでもう、誘うのやめようか」
「うんうん」
Fさんたちは徐々にNさんを避けるようになりました。すると他の高年収(推定)ママをターゲットにしてタカるようになり、Nさんはタカリママとして有名になりつつありました。

「あんなにタカるって、Nさんお金に困ってるのかな? そういえば旦那さんのこと全然話さないよね」
1人のママ友がそう言い出しました。確かにNさん、人の旦那の年収はしつこく聞いたり調べたりするのに、自分の旦那さんのことは何も言わないのです。
「そういえば……」
Fさんは自分の旦那さんとNさんの旦那さんが偶然同じ大学で同じゼミの先輩後輩であることを思い出しました。
「ちょっと調べてみる! 」

タカリママの旦那さんは……

「久しぶりにランチ誘ってくれてありがとう、Fさん!」
Fさんを含めた数名のママ友(いずれもタカリ被害者)はある日、Nさんをランチに誘いました。

「今日は誰におごってもらおうかな~ 」
じろじろとママ友を見回すNさん。誰の旦那がどれくらい稼いでいるかを思い出しているのでしょう。
「今日はNさんのおごりよ。今までの分、きっちり返してもらうから」
Fさんはきっぱりと言いました。
「え、どうして?」
「うちの旦那に聞いたわ。旦那さん、△△(超一流企業)にお勤めなんですって? 年収1000万円は軽く超えるわよね、ここにいる誰よりお金持ちじゃないの!」
「調べたの!? 下品なことするのね!」
「あなたがいつもやってることでしょ。おあいこよ」
他のママ友もうんうんと頷いています。
「そんなの聞いてないわ! 帰る!」
立ち上がったNさんに、Fさんは追い打ちをかけるように言いました。
「帰ってもいいけど、それなら今までの分を旦那さんに請求するけどいい?」
Nさんは真っ青になり、お財布に入っていたお金を全部置いて帰りました。

今までタカられた分には足りなかったものの、皆ちょっとすっきりした気持ちでした。Fさんが後から旦那さんに聞いたところによると、Nさんの浪費癖のせいで、旦那さんがお金の管理をするようになったので、自分が自由に遣えるお金欲しさにママ友にタカっていたのではないかとのことです

自由に遣えるお金がないのは自分のせいですし、お金がないからといって人にタカるのは良くないですよね。

ftnコラムニスト:緑子