私の勤める飲食店には、60代の元気なシニアがたくさんいます。皆さん温かくて素敵な方々ばかりなのですが、一人だけちょっとクセの強い先輩がいます。その先輩は新人さんが入るといじめスイッチが入ってしまうのです。さんざんいじめを繰り返した先輩に起こった悲劇とは?
新人さんが起こしたミス
ある日、先輩と同世代のおとなしそうな新人さんが入ってきました。先輩のいじめ欲求が大きくならないか心配していましたが、すぐに私の懸念は現実のものになってしまいました。
新人さんが盛大に大量のお皿を割ってしまったのです。そこに先輩が現れて「何やってんのよ!!」と怒鳴りました。新人さんは涙目で謝罪を繰り返しました。割れたお皿をみんなで片づけていると、先輩は高笑いし「あー最悪。このドジ! みんなに迷惑をかけるな!」とさらに怒鳴っていました。
新人さんはその後もよく皿を割ってしまい、そのたびに先輩に罵倒されていました。新人さんのミスを不思議に思った店長は、ある日防犯カメラを確認することにしたのです。
防犯カメラに写っていたのは・・・
防犯カメラには先輩が新人さんの後をつけて、大量の皿をわざと不安定になるように置いているところがはっきりと映っていました。しかも何度も同じことをやっていたのです。
クセが強いだけでなく、クセが悪いことが証明されてしまった先輩は店長に呼び出されました。先輩は「私は絶対にやっていません」「これは捏造です」「私を陥れようとして誰かが動画を編集したんです!」と理不尽な逆切れをしていました。
苦しい言い訳の末
呆れた店長は「これはあなたがいじめをしている証拠です」とピシャリと言いました。それでも先輩は「おかしい」「絶対にやっていないのに」とブツブツ小声で言っていました。
困り果てた店長は、スタッフ全員に動画を見せました。先輩は追い詰められ、次の日から無期限の長期休暇に入りました。おそらくもう戻ってくることはないでしょう。新人さんはその後皿を割ることはなくなり、職場に馴染んで元気に働いています。
ftnコラムニスト:鈴木まさ美