高収入の人が多く住んでいると言われるタワマンに作者の友人は住んでいました。そんなある日のこと、マンションの上階に友人のかつての中学の同級生が引っ越してきました。エントランスで何十年ぶりの再会を果たしたんですが、その同級生は友人のことをいじめていました。友人は彼女に「庶民が住めるとこではない。無理してない?」と嘲笑され……。
いじめっ子との再会
私が旦那とともにタワーマンションに住み始めて五年が経過したある日のことです。マンションのエントランスのところで、中学の同級生に再会してしまいました。私にとって彼女は会いたくない存在でした。なぜならば、中学のときに私をいじめていたグループのリーダーだったからです。私が勉強ができたのを妬み、靴隠しなどをされました。
久しぶり、と一応の挨拶
かつてのいじめっ子は私を見て目を丸くしていました。「え、ここで何しているの? 清掃員かなにか? 仕事で掃除に来ているの?」などと言ってきました。「住んでいる」と正直に答えると、「えー、うそうそ。何階?」その質問にも正直に答えました。
「私より下か。良かった。それにしても、ここは庶民の住めるところじゃないのよ。無理してない?」浴びせられたその言葉に私はムッとしましたが、黙っていました。
同級生とはあいさつを交わす程度にとどめる
「図星ね? 無理してるんだ!?」と尚も言われましたが、「急いでいるから、これで」とその場を収め、出かけることにしました。同級生が上階に住んでいるとなんだか落ち着かないけど、そんなに顔を合わせることもないし、気にしないでおこうと思ったのですが……。彼女は私の住んでいる部屋を突き止めて、「部屋の中見せて? どんな家具置いているの?」と興味津々でした。
生活レベルでのマウント
きっと、生活レベルでのマウントを取りたかったんだと思います。昔から自慢話が大好きな彼女。部屋に入って、色々と物色したかったように思いますが、私は決して部屋の中には入れませんでした。「ケチー。そのくらいいいじゃん!」とブツブツ言いながら帰って行きました。彼女が来て二年後のことです。彼女の旦那さんが勤めていた会社が倒産し、家賃が払えなくなって彼女はタワマンから出て行きました。現在、私は穏やかに暮らしています。
ftnコラムニスト:サンマ雲