「○○家の嫁として」って何ですか?
Aさんはごく普通の家庭で育ち、大学で知り合った男性と26歳の時に結婚。夫とは価値感が似ているところがいいなあと思っていたのですが、夫の両親とは価値感のズレを感じます。
いちばん違和感を覚えたのは結婚後すぐに「嫁としての立ち居振る舞い」について厳しい教えがあったこと。Aさんも初めは合わせなくてはならないと思っていたのですが、実際にその教えを実行してみると、自分には全く合わないもので困っていました。
嫁としての教えに反抗
結婚後しばらくしてAさんは嫁としての教えに反抗するようになりました。名家でも何でもない夫の家の教えに何の意味があるのかわからなくなってしまったのです。
当初は、夫の両親に言われるがままに、礼儀作法や所作などを学ぶため書道や茶道の教室に通っていました。しかし、やればやるほど「なぜこんなことをしなければならないのだろう」という思いがこみ上げてきます。
少なくともこの教えを実行することは、Aさん自身がやりたいことではありません。「じゃあ、私のやりたいことってなんなんだろう」Aさんは自分自身を見つめ直してみました。
嫁の反抗期
Aさんは自分らしく生きるためにも反抗を始めました。まず逆らったのは「お嫁さんは、ご主人の帰りを待つもの」という考え方。Aさんがやりたいのは自分も働いて稼ぐことによって、家庭の経済的な負担を軽くすること。
夫の両親はAさんが働くのを快く思っていなかったが、Aさんはそれを無視。共働きになったことで、続いて「家事は妻の仕事」という考え方にも反発をしました。
Aさんは夫にも家事をしてもらうことを求めたのです。最初は夫も戸惑っていましたが、Aさんの意見を尊重してくれ、一緒に家事をするようになりました。
義母は「男が家事をするなんてみっともない」とぶつぶつ言っていましたが、Aさんと夫が納得していれば、それで問題はありません。Aさんは○○家の教えではなく、自分と夫の作る家族のスタイルを重要視したのです。
○○家の嫁である前に一人の人間
Aさんは○○家の嫁という教えに反抗することで、自分の人生について考えるきっかけを得ました。嫁としての立ち居振る舞いに縛られることなく、自分自身が大切にしていかなければならないものを見つけることができたのです。
○○家の嫁である前に一人の人間です。結婚したからといって相手の家の色に染まるのではなく、夫婦それぞれにとってのベストな色を見つけていけるといいですよね。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶