初めての小学校での参観日
ミホは、小学校に入学したばかりの息子の参観日を心待ちにしていたのだそうです。
幼稚園の最後の年だった年長さんの時は、コロナが全盛期だったこともあり、ほとんどの園行事に参加できなかったのだという。
また、久しぶりの行事であったことと、小学生になってからの初めての参観! ということもミホにとっては、特別楽しみになる要因だったといいます。
以前に念押ししていた
ミホの息子が卒園式の時も、同じく参加者は2名まで、と決められていたのだそう。
そこですぐに名乗りをあげてきたのが、義母だったという。
「幼稚園での最後の晴れ姿、おばあちゃんに見せたいよね?」なんて図々しいことを言われたのだとか(笑)
「卒園式なんで……一生に一回なんで両親そろって出席したいです!」と強めの口調で言ってその場を乗り切ったそうなのですが…
そんなことがあった為、一応念の為に「参観日は2名まで!」だということを、ミホは義母に伝えていたのだそう。
どんだけ着飾ってくるの……
楽しみにしていた息子の参観日に、ミホは旦那と一緒に学校へ向かったのだそう。
教室の廊下まで行くと、誰かがミホ達に向かって手を降っているのが見えたのだとか。
え! だれ? と思った瞬間、ミホは驚愕したといいます!
なんと! そこにはバッチリメイクに派手なワンピースで着飾った義母の姿が!
参観日だからって着飾りすぎじゃない……?
驚いたのも束の間、義母は旦那の腕をガッチリ掴んで、足早に息子の教室に向かって行ったのだとか……
ミホはすぐに追いかけて行き、義母に話しかけたのだそうです。
「あの! 教室に入れるのは2人までなんですよ〜。なのですみませんけど入れないんです!」とミホが言うと義母から驚きの発言が!
「ミホちゃんは家でいつも息子の姿見てるんだからいいじゃん! 参観はわたしに譲ってよ!」
「後でどんなだったか詳しく教えてあげるわよ!」
「卒園式はちゃんと我慢してあげたでしょ〜」
呆然としている自分をよそに、義母は旦那を無理やり引っ張って教室の奥に入っていってしまったといいます。
息子のひとことで
ほかの保護者や小学生が大勢いる手前、大きな声で反論することもできず……
参観も始まってしまったので、ミホは教室の外側からコッソリと息子の参観をしたのだそうです。
わたしが保護者なのに! 楽しみにしていたのに! と、ミホはとても悔しかったといいます。
参観が終わって教室から出てきた義母は、満面の笑みで満足気に先に帰っていったのだそう。
ミホの旦那はとても申し訳なさそうに、何度も謝ってくれたそうなのですが……
怒りながら帰宅したミホでしたが、愛息子からのひとことで幾分か気分が晴れたのだという。
「今日はおばあちゃんが珍しくお化粧してオシャレな格好で見に来てくれた! ぼくのこと、大好きなんだね!」
大好きだから、大切だから、普段メイクをしない義母が息子の為にオシャレをして来てくれたんだ……息子の言葉を聞いたミホは、そう思うようになると怒りも段々とおさまっていったのだそう。
あれからは「孫に関心がないよりかは、孫大好き! でいてくれるほうがうれしいかも!」とミホはいいます。
考え方によっては、前向きになれるんですね! 心の広い友人を尊敬します。
ftnコラムニスト:さらら