義実家に行くと……
主婦のAさんはその日、小学1年の息子と旦那と一緒に義実家を訪れていました。姑は孫のことが大好きなので、定期的に訪れることにしているのです。
しかしその日はいつもと違うことがありました。なんと姑が手料理を振る舞ってくれたのです。
姑の手料理
実は姑、昔からまったく料理をしない人だったらしく、Aさんも料理をしている姿を見たことがありません。
いつもはAさんか義父が食事を作っていたのですが、その日は義父の体調が悪かったこともあり、姑が全ての料理を作ったのです。しかし……。
味噌汁は出汁が入っておらず、から揚げも油でベチャベチャ。ご飯も水を入れすぎたのか、ねちゃねちゃしており、お世辞にもおいしいとは言えない料理でした。
感想を聞かれ……
「味はどう?」
姑からそんなことを聞かれたAさん。正直、マズイとしか言いようがないのですが、それを言うわけにはいきません。しかしそこで姑がこんなことを言ってきました。
「本当の感想を教えてくれる? ほら、今後の参考にもしたいし……」
そんなことを言われれば、Aさんも正直に感想を言うしかありません。姑も自分でこの料理を食べているのですから、美味しくないことはわかっているはずです。
そこで「いや、正直食べるのがやっとといった感じで……」とAさんは正直な感想を伝えました。
するとまさかの展開が……。
「せっかく作ったのに、何よその言い方は!」と姑がブチギレたのです。
ブチギレる姑
「ふざけんじゃないわよ! あんたちょっと料理がうまいからって偉そうに! 私のこと見下してるでしょ!」
姑は激怒しながら、そんな怒号をあげます。
「す、すいません」と謝るAさんでしたが、姑の怒りは収まりません。むしろ、どんどん声を荒らげていきます。「どうしよう」と焦るAさんでしたが、そこでまさかの出来事が……。
「これ、まずーい! 僕もう食べたくなーい」息子がそう声をあげたのです。
すると先ほどまで激怒していた姑は、急に意気消沈。大好きな孫から「まずい」と言われ、かなり落ち込んでしまったのです。
結果的にAさんは、息子の一言に救われたのでした。
その後、姑は汚名返上のために料理を特訓。半年後に孫から「ちょっとだけ美味しい」とギリギリ合格点をもらい、上機嫌になっていたそうです。
姑を怒らせてしまったら、嫁としてはかなりのピンチです。息子さんはもしかしたら母親のピンチを救うために、あえてそのタイミングで「まずい」と言ったのかもしれませんね。
ltnコラムニスト:ふくろうクジラ