『〇〇家に嫁いだからには』という言葉。皆さんはどのように受け止めますか?ある人にとっては伝統を重んじる美しい言葉かもしれませんが、別の視点からは嫁へのプレッシャーや古い価値観の象徴と捉えられることもあるでしょう。今回は、友人家族のエピソードをご紹介します。
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弟の嫁は古風なタイプ

友人の弟が結婚相手に選んだA子は、伝統的な価値観を重んじるタイプ。「私は〇〇家に嫁いできたので」「長男の嫁なので」「〇〇家のしきたりを教えてください」とよく口にしていました。
この言葉に姑は大喜び。「いいお嬢さんが来てくれた!」と、周囲に自慢をしていました。

義姉にあたるB美も「しっかりした女性だ」と好印象を抱いていましたが、A子のほうは小姑のB美が気に食わない様子。
独身でひとり暮らしをしていたB美は頻繁に実家を訪れていましたが、A子はそれを快く思っておらず、「私という嫁ができたのだから、実家との付き合い方を見直すべき」と苦言を呈してきました。

両親も嫁に同調し……

B美は「気負いすぎでは?」とA子を不安視しましたが、「長男の嫁である私に任せて」と言い張るA子。「この家の嫁は私」アピールをかましてきました。
両親も「小姑のB美がいたら気を使うでしょ」と、嫁A子に同調。B美を遠ざけようとしてきました。

いい気分はしないB美ですが、「みんながそこまで言うなら」と実家と距離を置くことに。
A子の望む環境が作られました。

面倒ごとからあっさり逃亡!

真面目な性格ゆえか、期待に応えようとするあまり古風な良妻を演じていたA子でしたが、結婚後すぐにそれが口だけだと判明しました。
義母が入院した際に「自分には付き添いなんて大変なことは無理」と、あっさりと逃亡。
「つきっきりになる必要はない」と言っても聞き入れず、B美に丸投げして実家に逃げたのです。
長男の嫁アピールは何だったんだ!? と、一同唖然。

しかもA子は逃げ帰った実家で「婚家で虐げられた」と悲劇のヒロインぶり、それを信じたA子両親から苦情が来る始末。
「いや、A子は何もしてないじゃないか!」と両家に溝が生まれてしまいました。

両親の華麗な手のひら返し

最初に古風な嫁を演じてしまったため、A子の印象は大幅ダウン。A子が義実家を訪れると、ギクシャクした空気が漂うようになりました。

「やっぱり頼れるのは実の娘だ」と手のひらを返す両親に、呆れ顔のB美。
「このまま近くにいたら介護もすべて押し付けられそう」と不安になり、今回の経験を通じて、家族との新しい関係性を模索し始め、引っ越しを検討中です。

ftnコラムニスト:愉子