わが子から「心と体の性が違う」とカミングアウトをされたら、どうしますか? 親であれば、全力で子どもをサポートしたいですよね。今回は息子から「自分がLGBTQである」と告白された知人女性のエピソードをご紹介します。 
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乙女心満載の息子

A子さんは、高校生の息子と小学生の娘をもつシングルマザーです。

息子のK太くんはジャニーズが大好きで、小学生のころはよく親子でコンサートに参戦していました。

彼は、昔から男子よりも女子の友だちが多かったそう。

高校生になったいまでは、同級生の女の子5人+男子のK太くんの6人でUSJに遊びに行くのも平気です。

息子の部屋から化粧品を発見

K太くんが高校2年生のころです。

A子さんが、彼の部屋の掃除をしているとクローゼットの奥からクッキー箱を発見しました。

「も〜こんなところに、おやつ隠して〜」と箱の蓋をあけた瞬間、A子さんは息を呑みました。

なんとなかにはコンパクト・マスカラ・チークなどのメイク用品が入っていたのです。

しかも箱の近くには、シート型のメイク落としが……。

どうやら、家族が就寝したあと1人でメイクの練習をしていたのです。

化粧品売り場で息子と遭遇

それから数日後、A子さんはショッピングモールの化粧品売り場でK太くんとばったり遭遇。

A子さんは、私だけは絶対に彼を否定しちゃダメ! とK太くんの手に握られたアイシャドーを指差し「そのアイシャドー可愛いよね。ママに似合うかな?」と笑顔で声をかけました。

するとK太くんはこくりとうなずき、アイシャドーをそっと棚に戻しました。

母の大きな愛で息子を受け止める

その日の夜、K太くんは「ママに話したいことがある」と自分の心と体の性が一致していないことをカミングアウトしました。

A子さんも覚悟ができていたので、動揺することなく息子のカミングアウトを受け止められたそう。

そして「今度はママと一緒にメイクを選ぼうね」と抱きしめました。

すると、K太くんは涙を流しながら何度もうなずいてくれたのです。

今2人はサポートグループに相談しながらLGBTQについて学んでいます。

わが子の言葉にしっかりと耳を傾け、大きな愛で受け止めたA子さん。

母親としての強さがとても素敵ですね。

ftnコラムニスト:広田あや子