幼稚園の役員はママ友トラブルの温床になることもあります。今回は、自分の子ども最優先のママ友が引き起こしたトラブルを紹介します。
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幼稚園の謝恩会で恒例の動画作成

私の娘が通う幼稚園は教育熱心だからか専業主婦が多く、保護者の役員活動が活発です。卒業式後に行われる謝恩会では、オリジナル動画を作成して発表するのが毎年恒例でした。動画は謝恩会役員が作成することになっています。

しかし、謝恩会役員だからといって動画作成スキルがあるとは限りません。引き継ぎ書類はあるものの、動画作成は大変な仕事でした。

動画編集担当者が頑張って作成したのにケチをつけるママ友

娘が年長のときの謝恩会役員にも、動画作成経験者はいませんでした。動画撮影は謝恩会役員全員で行いますが、編集は分担が難しく基本は担当1人で行います。その年は比較的パソコンに詳しい人が、半ば押し付けられるようなかたちで編集担当者をすることに。編集担当者になった人は夫に助けてもらいながら、一生懸命動画を作りました。

しかし、謝恩会役員のA子さんが、できあがった動画にケチをつけ始めます。「ただ録画した動画を流しているだけに見える」と、納得してくれません。編集担当者は具体的な修正指示が欲しいを訴えましたが、A子さんの発言はあいまいで直しようがありませんでした。

「私がやる!」と啖呵を切って仕上げた動画は……

文句だけを言うA子さんに、編集担当者は気分を害してしまいます。他のメンバーはオロオロするばかり。それでもA子さんは折れる気がないようで「なら私が動画編集する!」と啖呵を切り、データを持って帰ってしまいました。

数日後に動画を完成させたA子さん。仕上がった動画を確認すると、A子さんの娘の登場回数が明らかに多く、謝恩会のメンバーは呆然としてしまいます。まるでA子さんの娘のプロモーションビデオのような仕上がりなのです。しかも、最初に作成した動画は全消し状態。夫と苦労して動画を作った編集担当者は「ひどい!」とブチ切れてしまいました。

コロナで謝恩会は中止になり動画はお蔵入り

怒った編集担当者は謝恩会役員を完全拒否。他のメンバーもプロモーションビデオと化した動画に困り果て、役員本部に相談してきました。泣きつかれて仕方なく本部から動画編集を指示すると、今度はA子さんがへそを曲げてしまいます。

残った謝恩会メンバーが困り果てているタイミングで、コロナで休園が決定。その後、コロナが理由で謝恩会は中止となり、動画もお蔵入りになりました。謝恩会ができなかったのは残念ですが、残された謝恩会役員は心底ホッとしたようです。なお、編集担当者とA子さんは完全に人間関係が崩壊し、ピリピリムードで卒園式に出席していました。大人のいざこざに巻き込まれた子どもたちが気の毒でたまりません。

ftnコラムニスト:ききた