3年前、筆者の母親の友人A子さんは熟年離婚をしました。子どもがいない二人は私をとても可愛がってくれていたので、離婚と聞いて驚いたのですが……。私も嫁になった現在、そりゃ当然だよなと納得しました。
同居で夫婦仲に亀裂が入る
A子さん夫婦が結婚15年目に、夫の母親が階段で転び骨折、その後歩行が難しくなってしまいます。
同じ頃、父親も軽度の認知症と診断され、夫から「両親がこうなったからには、同居するしかない」とAさんも納得しました。
いざ同居生活がはじまると、認知症の義父は突然Aさんに抱きついたり、家のなかでもつきまとったりしました。
ときには、Aさんが入浴中に浴室に乱入してきたこともあるそう。
また、義母は「私は足が悪いから」と家事を全く手伝わず、一日中リビングのソファーに寝そべってテレビをみていました。
しかも恐ろしいことに、夫が在宅しているとき義父は絶対にA子さんには近寄りません。
そして、両親たちは「いつもA子さんに世話になって申し訳ない」としおらしい態度をとるのです。
妻にあり得ない失言をする夫
Aさんは、なんども両親たちの言動を夫に相談しました。
しかし夫は自分の親は、嫁に気を遣って肩身の狭い生活をしていると思い込みAさんの話を全く信じてくれませんでした。
Aさんが、両親たちをホームに入れたいと提案しても即却下されます。
せめて近所のデイサービスを利用したいとお願いしたときは「お前は、専業主婦だろ! 長男の嫁が、親を介護するのは当たり前だろ。俺の親を見るのが嫌なら、なんで嫁にきたんだ」と大声で罵ったのです。
長年連れ添った夫婦も、所詮他人!
Aさんは、この言葉で一気に夫への愛情が冷めました。
そして「私は、あなたの親の介護用の嫁だったのですね」と一言。
その後A子さんは、薄情な夫を見捨ててあっさりと離婚をしました。
どんなに長く寄り添った夫婦でも、相手の本性を見抜くのは難しいですね。
夫婦と言っても所詮他人! 分かり合えなくて当然! ぐらいの気持ちでいた方が長続きするのかもしれませんね。
ftnコラムニスト:広田あや子