大嫌いな姑
主婦のAさんは、姑のことが大嫌いでした。姑はAさんを馬車馬のようにこき使い、家事や雑用を押しつけてくるような人だったからです。
姑もAさんのことを嫌っていることは明らかで、だからこそ毎回嫌がらせでAさんをこき使ってきます。
そしてその日もAさんは姑にこき使われることに……。
義父母が所有する山で、姑と一緒に山菜採りに行くことを命じられたのです。
山奥に進むと
険しい山を上り、どこから来たのかもわからなくなるほど山奥まで来たAさん。
慣れない山道を上り、ヘトヘトになったAさんは思わずその場に座り込んでしまいます。すると「ちょっと……」と姑が口を開きます。
怒られると思ったAさんでしたが、「あなたはそこで休んでなさい。私は少し戻った場所で山菜を採ってくるから」と、意外にも優しい言葉をかけられました。
ほっとしたAさん。しかしそれは姑の最悪な罠でした。
その言葉を最後に、姑は忽然と姿を消したからです。
姿を消した姑
「お義母さーん! お義母さーん! 」
Aさんが何度呼んでも、姑からの返事はありませんでした。そこでAさんは確信します。
姑は嫌がらせでAさんを山奥に放置したのです。
「ど、どうしよう……」その事実を認識したとき、Aさんはとてつもない恐怖を感じました。
姑がいたから、これほどの山奥まで来ることができたのです。帰り道もわからなければ、スマホもなく、持っているのはペットボトルに少しだけ残った水だけ。
「私、このままここで……」Aさんは人生の最期を覚悟しました。
絶体絶命の中
「ふざけんな! 命にかかわることだぞ! 」
そう怒鳴ったのは旦那です。そしてその言葉は姑に向けたものでした。
実はあの後、Aさんは旦那に救出されました。姑が山から1人で帰ってきたことを不審に思い、旦那が山道を上っていったところ、Aさんを発見してくれたのです。
「あのくらいの山から1人で帰って来られないなんて、だらしないわねぇ」
姑は反省する様子もなく、そんな嫌味を言ってきます。Aさんは安堵と恐怖、そして強烈な怒りで泣きじゃくるばかり。何も言い返せませんでした。
しかし旦那もやはり今回の件を重く見たようで「あんたとは縁を切る!」と姑に言ってくれました。そして今でも、Aさん夫婦は姑と一切連絡を取っていないそうです。
山奥に放置するなんて、本当に一歩間違えたら命に関わることですよね。そのような姑とは、縁を切って正解だと思います。
ltnコラムニスト:ふくろうクジラ