旦那さんは束縛男子
Jさんは当時結婚5年目の主婦でした。まだ子どもはいないものの旦那さんとはとってもラブラブ。
しかも旦那さんはかなりの束縛体質で、仕事中にも隙を見て自宅に電話をかけ、Jさんが出なければどこに行っていたか追及するほど。
Jさんが友人と買い物やランチに出かけることもあまり良い顔をしてくれず、やっと出かけられても「本当に女の友達なのか」と抜き打ちで電話をかけてきたりします
しかしJさんは「束縛は愛の証」だと信じて疑っていませんでした。
友人の一言
ある日、Jさんが旦那さんの許可を得て友人とランチをしていると、やはり何度も旦那さんから電話やLINEが入ってきます。そのたびにJさんは誰とどこにいるか、何食べているかを報告していました。
「ねえ、ちょっと異常じゃない? 」
「え、そうかなあ」
友人の言葉に、首を傾げるJさん。もうすっかり束縛されることに慣れてしまっていたのでしょう。
「あのさあ、人の浮気を疑う人って、実は自分が浮気してることもあるんだってさ。まあJちゃんとこの旦那さんはなさそうだけど」
友人の言葉に、Jさんは少しだけ不安になりました。しかしこんなに束縛してくるということは自分を愛していることに間違いはないはず、と自分に言い聞かせていたのです。
試しに嘘をついてみたら……
「今度は旦那さんに、ひとりで買い物してるって言ってうちに来ない? 何度も電話されるのウザいでしょ」
友人にそう誘われ、Jさんはなんとなく断れずに約束してしまいました。
そして約束の日、Jさんは旦那さんに「今日はひとりでデパートに行きます。17時頃に帰ります」と言っておいて、実は自宅の近くの駅で友人が迎えに来るのを待っていました。旦那さんにバレたら怒られるかな、と少しだけドキドキしながら。
するとJさんの目の前を、よく知っている人が通り過ぎて行ったのです。
「え、なんで……? 」
それは間違いなくJさんの旦那さんでした。しかも、知らない女性と手を繋いで。Jさんはこっそりその2人の後をつけると、そのまま2人はJさんの自宅へ入っていきました。
「どういうことよ……」
Jさんは自宅に入るに入れず、物陰に隠れて様子を見ていることしかできませんでした。
友人から連絡があったのでワケを話すと、友人は慌ててJさんの自宅前まで来てくれました。
「なに、女と入っていったの? 」
「うん、知らない人よ」
「ははーん、さてはアレだな」
「アレってなに? 」
「いつもJちゃんが何してるか聞いてたの、自分の浮気がバレないように、あんたの行動を把握したかったんじゃない? 」
「何それ、最悪! 」
今まで愛ゆえの束縛だと思っていたJさんは怒り心頭。そのまま玄関のカギを開けて、勢いよく自宅の中に入っていきました。
「ちょっと、何してんのよ! 」
案の定、旦那さんはリビングのソファで女性とイチャイチャ中。
「おいお前、買い物行ってたんじゃなかったのか……? 俺に嘘ついたのかよ? 」
慌てて女性から離れて、旦那さんが言いました。
「この期に及んでまだ言うか! この裏切り者!!! 」
当然ですがJさんはブチギレ。問い詰めてみると相手の女性はどうやら旦那さんの会社に派遣で来ている女の子で、関係は3年に及ぶとのことでした。
結婚生活5年のうち、3年は自分の行動を把握するための束縛だったのかと思ったJさんは旦那さんに離婚を申し出ました。しかし旦那さんがもう束縛も浮気もしないと土下座で誓ったので、今回だけは水に流すことに。
しかし今でも「今日はどこ行くの? 」と旦那さんに聞かれると、「お前に言うワケねえだろ! 」と言い返してしまうとのことです。
ftnコラムニスト:緑子