何か大切なものがなくなった時、身に覚えもないのにいきなり自分に疑いをかけられるほど不愉快なことはありません。今回は姑に泥棒の濡れ衣を着せられてしまった私の知人Cさんのお話です。
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姑を施設に

当時Cさんはお姑さんと同居をしていましたが、ある時お姑さんが転んで足を骨折し、日常生活に介助が必要になってしまいました。

しかしCさんはその頃臨月で、いつ子どもが産まれてもおかしくない状況にありました。そこで仕方なくお姑さんには日常生活が自分でできるようになるまでリハビリ施設に入ってもらうことに。

「なんで私が施設に入らなきゃいけないの! 」
元々お姑さんはCさんのことを気に入っておらず、普段からいびり倒していたので施設に入る際はひどくごねていたそうです。しかしCさんの旦那さんは仕事がありますし、旦那さんの妹は結婚をして遠方にいるので、他にどうすることもできませんでした。

義妹からの電話

お姑さんを施設に預けてから数日後、旦那さんの妹、Cさんにとっては義妹にあたる人からCさんに電話がありました。
「あのね、お母さんが預金通帳が見当たらないって騒いでて……Cさんに盗まれたって言うのよ。心当たりないよね? 私もCさんがそんなことするわけないって言ってるのに聞かないのよ……」
「お義母さんの預金通帳ですか? 私、どこにあるかも知りませんよ! お母さんが施設に通帳を持って行ったことも知りませんし……」
Cさんにはまさに寝耳に水の話でした。施設には何度もお姑さんの様子を見に行ってはいましたが、預金通帳など目にしたこともありません。

「ちょっと家の中を探してみてくれない? 本当は私が行けたらいいんだけど……ごめんね、Cさん」
「いえいえ、遠いから仕方ないですよ……とりあえず探してみます! 」
「お腹大きいのに大変だけど、よろしくお願いします」

Cさんはあまり気が進みませんでしたが、帰宅した旦那さんに理由を話してお姑さんの部屋に行き、大切なものを入れていそうなタンスの引き出しを片っ端から開けて行きました。
「ああ、あった! これだよ、ここにあるじゃないか! 」
旦那さんはあっさりとお姑さん名義の通帳を発見しました。
「普段世話になってる人を泥棒扱いして……どうしようもないな! 」
当然のように、旦那さんは激怒。

旦那さんは通帳をお姑さんに渡し、Cさんが出産のために入院している間に他に部屋を借りて荷物を移し、実家を出てしまいました。

結局施設から出て、お姑さんは広い家でひとりぼっちになってしまったそうです。簡単に人を泥棒扱いしてはいけませんね。

ftnコラムニスト:緑子