社交的で友人が多くお酒が大好きなM美
高校時代の友人M美は明るくて社交的。しかもお酒が好きで、飲みの誘いには喜んで参加するタイプ。行きつけの居酒屋やバーもありました。老若男女問わずとても友人が多く、私はM美に誘われて何度も飲みの場に参加したものです。
M美は私の友人の中で1番モテる女性。飲みの席では複数の男性から誘われ、道を歩けばナンパされます。社交的なM美はよほど嫌な相手ではない限りは気さくに連絡交換するので、週末はもちろん、平日の夜の誘いも絶えなかったようです。
相手が既婚者でもお構いなしに家に誘う……
M美は家飲みも大好きでした。生前贈与で都心の1LDKに住んでいたM美は、お酒の席で仲良くなった相手を男女関係なく家に誘います。相手が既婚者でもお構いなし。グループで飲むのが好きなM美ですが、相手が見つからなければ男性でも家でサシ飲みをしていました。
M美は独身ですから、独身男性を家に誘って2人きりで飲むのは自然なことでしょう。問題は、既婚者でもお構いなしに家に誘ってしまうこと。M美が既婚男性と家で2人きりで飲み、流れで体の関係を持ってしまうことが度々ありました。
「友達だから不倫じゃないよ」
しかも、その話をざっくばらんに私たち高校仲間にするのです。私たちは「さすがに既婚者との不倫はヤバいのでは……」と老婆心からM美に忠告しました。相手の奥さんにバレたら、場合によってはM美が慰謝料を請求されかねません。
しかし、私たちの忠告も右から左に受け流すM美。「彼とは友達だから不倫じゃないよ」と謎の理論で全く気にしない様子。確かにM美は既婚者に恋愛感情も独占欲も皆無のようですが、やっていることは不倫です。私たちは「いつか修羅場を迎えるのでは……」と心配しつつ、M美の行動を制限できるはずもなく、ただ見守ることしかできませんでした。
老婆心からの忠告も届かず修羅場に……
私たちの心配をよそに軽い気持ちで不倫を続けるM美は、その後修羅場を迎えてしまいます。ある日M美は「相手の奥さんから内容証明が送られてきちゃった……」と私たちに泣きついてきたのです。弁護士名で送られてきた内容証明には、M美の行為の違法性が細かく記載され、最後に100万円の慰謝料が請求されていました。
正直、私たちは「だから言わんこっちゃない……」という心境でした。法律や不倫問題に詳しい人もいなかったので「弁護士に相談しては？」と月並みなアドバイスしかできません。その後、顔の広いM美は飲み仲間の弁護士に相談したようです。私たちは気を遣って詳細を聞いていないので、M美が慰謝料を支払ったのかはわかりません。しかし、修羅場になってもM美は懲りていないようで、相変わらず別の既婚者とサシ飲みをしています……。
ftnコラムニスト：ききた