昔ヤンキーだった人って何故か昔の武勇伝を語りたがりますよね。今となっては全然すごくもなんともないし、どうでもいい話だったりするんですが。今回は昔のヤンキーを引きずっている義妹に見事なお仕置きをした私の友人Rさんのお話です。
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義妹は元ヤン

Rさんは旦那さんの実家で同居していて、すぐ近くに旦那さんの弟夫婦が暮らしています。その旦那さんの弟嫁、つまりRさんの義妹がクセ者でした。

どうやら昔ヤンキーだったらしく、初対面から「アタシ昔ワルかったんで」とのたまい、義実家でも大酒を飲むわタバコを吸うわのやりたい放題。挙句の果てには冷蔵庫からごっそり食べ物やお酒を持って帰るという図々しさ。

義弟がいったい彼女のどこに惚れたのかはわかりませんが、旦那さんが聞いたところによると家事もせずに毎日昔の友人と遊び回っているそうです。

「本当にあの嫁には困ったもんだよ……」
と義妹が来るたびにお姑さんがぼやいていました。

あわや暴力沙汰に

そんなある日、義妹がいつものようにRさんが暮らす義実家に食べ物とお酒をたかりにやってきました。
「ねえお義母さーん、もっとマシな食べ物ないの? あと発泡酒じゃなくてビールがいいんだけどー」
「何言ってるの! うちはあなたのために色々買い置きしてる訳じゃないのよ! 」
いよいよ我慢しきれなくなったお姑さんが言いました。
「息子に聞いたけど、あなた全然ご飯も作らないそうじゃないの! 掃除もしないし、家が荒れ放題なんですって!? 」
「あぁ!? なんか文句あんのかよクソババア! 」
義妹がリビングのテーブルを蹴り倒し、お姑さんに向かって手を振り上げました。
「ちょ……やめなさい! 」
Rさんは慌てて義妹の腕を掴み、そのまま思い切りひねり上げました。
「いてててて!!! 離して! 」
「うるせえのはおめーだよ! ヤンキーが聞いてあきれるわ! 」
実はRさん、学生時代に護身術を習っていたのです。腕をキメられて半泣きになった義妹は、腕を離されると逃げるように帰っていきました。
「一発くらい殴っといたらよかったな……」
そう呟くRさんを、お姑さんは若干怯えた目で見上げていました。

その後義妹が義実家にたかりにくることはなくなり、Rさんがお目付け役として義弟の家に行って家事をイチから叩き込むことになったとのことです。

ftnコラムニスト:緑子