10年つづけた不妊治療をやめる
Aちゃんは、大学時代から交際していたKくんと社会人2年目で結婚しました。
すぐに子どもが欲しかったのですが、不妊治療を頑張っても子どもに恵まれませんでした。
二人は治療をはじめて10年目に、不妊治療をやめます。
子どもを諦めたAちゃんは、今まで以上に仕事に打ち込み、キャリアを重ねていくことに喜びを感じるようになっていきました。
一方でKくんは、仕事一筋のAちゃんに対して寂しさを感じるようになって……。
派遣社員の女性に惹かれる
その頃Kくんの会社に、派遣社員のH子さんがやってきます。
H子さんは、物静かでどこか知性的な女性でした。
あるとき、Kくんが外回りから戻るとH子さんがさっと冷たいお茶をだしてくれたのです。
派遣社員だから僕に気を遣っているんだと思い「君は、そんなことしなくていいよ」と伝えました。
すると彼女はニコッと笑い「いえ、わたしが課長にしたいんですよ」と……。
この一言でKくんは、恋に落ちてしまったのです。
寂しさを埋めるだけの不倫
H子さんと不倫関係になっても、寂しさを埋めるための関係だと割り切っていたKくんです。
しかし彼女との関係を続けて1年半後。
Kくんは、Aちゃんと離婚してH子さんと再婚することを本気で考えるようになります。
ついに決心がついたKくんが「今日、妻に離婚を話してくる」と彼女に告げ自宅にかえったその日です。
玄関をあけた瞬間、Aちゃんが小走りでやってきて「わたしついに妊娠したの!」と笑顔で抱きついてきたのです。
Kくんは、呆然と立ち尽くし離婚を諦めました。
子どものために再構築を選択
その後、KくんはH子さんに妻の妊娠を告げ「君とは結婚できない」と伝えます。
H子さんは取り乱すこともなく「わかりました」と言って、彼との別れを受け入れ、会社も退職しました。
しかし、Aちゃんの友人がKくんが若い女性と二人でいるところを目撃したと彼女に伝えたため、不倫がバレてしまいました。
しかし、このときKくんとH子さんはすでに別れていたので、お腹の子どものことを考えて離婚はせずに再構築を選びました。
まさに、子は鎹(かすがい)というエピソードでしたね。
今はKくんも不倫したことを反省して、Aちゃんや愛娘のために尽くしています。
彼が不倫した過去は変えられませんが、子育てを通して人としても成長していけるといいですね。
ftnコラムニスト:広田あや子