今回は単身赴任中の旦那さんの部屋でとんでもないものを見つけてしまった私の友人のお姉さん、Cさんのお話です。
旦那の単身赴任先で……
Cさんの旦那さんは単身赴任2年目。マイホームを買ってすぐの辞令だったため、Cさんと子どもを置いて遠く離れた土地にひとりで旅立つことになってしまったのです。
ただ新幹線では行きやすい場所にあるため、Cさんは3ヶ月に1度くらいの頻度で旦那さんの単身赴任先に行き、部屋の掃除や洗濯などのたまった家事を片付けていました。
その日も旦那さんが仕事に行っている間に単身赴任先で旦那さんが暮らしている部屋に着き、洗濯機を回して部屋のお掃除をしていました。
「さて、洗濯物干すか……ん? 何これ?」
洗濯機に入れる時は他の洗濯物に紛れて気付かなかったのですが、旦那さんのものしか入っていないはずの洗濯物の中に、一枚だけ真っ白でレース付きのパンティが入っていたのです。
「わ、誰のパンツよこれ!?」
Cさんは嫌々ながらもそのパンティをつまみあげ、じっくり眺めました。どう見ても女性ものの下着です。しかもサイズも随分小さいので、旦那さんにもし女装の趣味があったとしても到底はけそうにありません。
「と、いうことは……」
浮気。その2文字がCさんの頭をよぎりました。そしてある名案を思い付き、パンティを他の洗濯物と一緒に干したのでした。
イタズラで仕返し
「ただいま」
夕方になって帰宅した旦那さんにCさんは言いました。
「私今日は泊まらないで帰るわ。明日ゴミの日なの忘れてたから」
「そう? なんか家事だけさせて悪いな」
「いいのいいの。ねえ、そのスーツそろそろクリーニングに出した方がいいんじゃない? 帰りに近くのクリーニング屋さんに出しておくから脱いでおいて」
「ああ、助かるよ」
Cさんはにこにこと微笑みながら旦那さんのスーツを脱がせました。
「替えのスーツ出しておいたから、明日はそれ着て行ってね。ハンカチももう入れてあるから」
そう言い残し、Cさんは旦那さんに見送られながら部屋から出ました。
翌日、お昼過ぎになってCさんのスマホに旦那さんから着信がありました。
「おいお前、どういうつもりだよ!!! 」
電話に出るなり、半泣きで旦那さんが叫びます。なんとCさん、旦那さんの替えのスーツのポケットに、ハンカチ代わりにあのパンティを仕込んでおいたというのです。
「取引先で出しちゃって大恥かいたんだぞ! 」
汗かきの旦那さんは手汗でペンが持てなくなるのを嫌って、いつもハンカチを持ち歩いているのを利用したCさんのイタズラでした。しかし本題はそこではありませんよね。
「うるせえ! てめえの洗濯物に紛れて入ってたんだよ!!! どこの誰のパンツか知らねえけど、洗ってやったんだから礼くらい言え!」
Cさんが怒鳴ると、電話の向こうで旦那さんが息を吞む気配がしました。
「今度の土日帰ってくるわよね?」
「はい、帰ります!」
次の週末、旦那さんは約束通り家に帰って来ました。そしてCさんの顔を見るなり、たくさんのお土産をぶら下げたまま土下座。
「ごめんなさいもうしません……」
「当然だ! どこの女よ!? 」
「向こうでできた飲み友達です……」
「連絡先消しな。あとしばらく禁酒」
「はい……」
旦那さんは日曜の夜に単身赴任先に戻るまで、Cさんにこってり絞られたとのこと。
単身赴任先だからといって独身に戻ったわけではありません。羽根を伸ばすのはほどほどにしておいた方が良いでしょう。
ftnコラムニスト:緑子