今回は、旦那の不倫相手に想定外の報いを受けさせることに成功した私の友人Mさんのお話です。
若い女性に旦那を奪われ……
Mさんは結婚5年目の主婦。なかなか子どもは授かりませんでしたが、同い年の旦那さんとそれなりに仲良く暮らしているつもりでした。
しかしある日突然旦那さんから「好きな子ができたので別れてほしい」と言われてしまったのです。よく聞いてみるとその好きな子というのは会社の後輩で、まだ入社して2年目くらいの若い女性でした。
「やっぱり若い子の方がいいのね」そう言ったMさんに旦那さんは言いにくそうに答えました。
「そういうんじゃないけど……子ども、できたんだ」
「はあ!?」
自分には欲しくてもできなかった子どもが、不倫相手のお腹の中にいる。そのショックは大きく、Mさんは「しばらく離れて考えさせて」と言って家を出て、自分でアパートを借りて別居することに。
ただ、離婚にはまだ応じないつもりでいました。
サレ妻の復讐開始!
「許せない……同じ目に遭わせてやる!」
Mさんは旦那さんの不倫相手のことを何から何まで調べ上げました。独身で実家暮らし、家族は父と母。ひとりっこで甘やかされていたせいか、実家にパラサイト気味。
「ふうん……いいこと考えた!」
まずMさんが始めたのが、不倫相手の父親と同じ習い事にもぐりこむこと。不倫相手の父親は休日に英会話教室に通っていたので、Mさんは偽名を使ってその教室に通うことにしました。
「はじめまして! よろしくお願いしますね」
不倫相手の父親の隣の席をゲットし、にっこり微笑むMさん。年の離れた女性に親し気に微笑まれて、父親は少し顔を赤らめていました。
そこからはなりふり構わず、Mさんは不倫相手の父親に猛アタック。わからないことがあるので教えてほしいと教室の後でお茶に誘ったり、悩みを聞いてほしいと電話で相談したり。2人の距離が縮まるのに、そう時間は必要ありませんでした。
Mさんがさりげなく家族のことを聞き出すと、不倫相手の父親はよっぽど鬱憤が溜まっていたのか、娘が不倫相手の子を身ごもっていることを語り出しました。
もちろん娘の妊娠を良く思っておらず、不倫関係自体も許せない。しかし妻と娘がべったりなので結婚を認めざるを得ない、とのこと。
「まだ向こうの奥さんも別れてくれるとは言ってないのにね……」
呆れたようにため息をつく、不倫相手の父親。その奥さん本人が目の前にいるとは、夢にも思っていなかったのでしょう。
不倫相手の父親と恋仲に
悩みを相談し合っているうちに、Mさんの思惑通り2人は恋仲に。不倫相手の父親はMさんにのめり込み、仕事が終わると毎日のようにMさんのアパートを訪れました。
旦那さんからは「早く別れてほしい」という連絡がありましたが、Mさんは復讐が終わるまでは、と決して離婚届に判を押しませんでした。
「ねえ、どこかに部屋を借りて一緒に暮らさない……?」
「ああ、俺もそれを考えてたんだ」
「奥様と別れてくれるの?」
「もちろんそのつもりだよ。もう妻の顔も娘の顔も見たくないんだ」
その後すぐ、不倫相手の父親はMさんと一緒になるために妻に離婚届を渡し、荷物をまとめて家を出ました。妻はもうすぐ孫が生まれることもあってか、離婚には応じないと言い張っているとのこと。
「君と暮らすための部屋を借りたから、いつでも来てくれ」
不倫相手の父親はMさんに部屋の合鍵を渡しました。
「ありがとう……」
復讐の終わりに
「はい、離婚届。もうすぐ赤ちゃん生まれるんでしょ?」
Mさんは旦那さんに判を押した離婚届を渡しました。
「ありがとう……本当にすまなかった。ちょっと今ゴタゴタしてて」
「ゴタゴタ?」
「向こうの家が揉めてるらしいんだ。お義父さんが出て行ったとかで」
「へえ……まあ私には関係ないわね。慰謝料だけは貰うけど」
「ああ、わかったよ」
Mさんは借りていたアパートを引き払い、英会話教室も辞めました。そしてそのまま遠方にある実家に。
無事に不倫相手の家庭をバラバラにできたので、復讐も完了です。貰った合鍵は封筒に入れ、女の文字で「今までありがとうございました」という手紙を添えて不倫相手の家に送りました。これでまたひと悶着あるでしょうが、そんなことは関係ありません。
「娘のしたことは、親が責任とらなくちゃね!」
親にパラサイトしている若い女性には、両親の別居はかなり精神的に堪えることでしょう。でもそれは人の家庭を壊した報い。Mさんはスッキリした気持ちで離婚しました。
不倫の報いは、意外なところから来ることもあるんですね。
ftnコラムニスト:緑子