少しは手伝って!「パパご飯炊いといて~」
Aさんは仕事をしながら9歳と5歳の子供を育てるワーキングマザー。仕事が終わり子供を迎えに行ってからの時間は、ご飯→お風呂→就寝とやることが盛りだくさんでバタバタ。猫の手も借りたいほど忙しいのです。
その日はパパが休みだったので、少しは手伝ってもらおうと「パパご飯炊いといて~」とお願い。するとパパから返ってきたのは「俺できないよ~」という一言でした。
子供は見てる「パパ何もできないもんね」
子供の世話で手が放せないAさんとは違い、パパはスマホをいじりながらソファで寝転がっているだけ。それなのにご飯を炊くことすら拒否されてしまうことに、若干の苛立ちを感じながらも早くご飯を炊かなければスケジュールが狂ってしまいます。焦っているAさんに声をかけてくれたのは9歳の長男。
「おれがやるよ! パパって何もできないもんね」
笑いながらそう言って、ご飯をササッと炊いてくれました。長男がこんなにも頼れる存在になっていたことに感謝していたAさんですが、この言葉にショックを受けた人物が一人。それは何もできないと言われたパパ本人でした。
奮闘! パパの威厳を取り戻せ!
この日以降、以前とは見違えてパパは家事を手伝ってくれるようになりました。
「俺、息子に何もできないって思われてるんだって気づいた。今からでもその評価を覆したいんだ!」
どんなにAさんがお願いしても動いてくれなかったパパですが、長男の無邪気な一言が相当効いたようです。今までしてこなかった分、パパの家事能力は低く、正直なところ長男よりも頼りになりません。
でも、頑張ろうとするパパの姿が嬉しくて、Aさんは応援していこうと思うのでした。
嬉しい長男の一言「パパやるじゃん!」
パパが改心してから数か月。パパの家事能力はぐんぐん上がり、休日の朝ごはんを担当してくれるように。この日のメニューはパンケーキ。卵白を別で泡立てたふわふわのものです。
「おいしー! パパやるじゃん!」
子供たちは喜んで朝ごはんを食べ、パパを褒めます。それを聞いて嬉しそうなパパを見て、自分も嬉しくなるAさんなのでした。
子供のためなら頑張れるのが親ですよね。何もできないパパさんたちには子供からのきつい一言を浴びせたいものです。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶